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「懇情〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

懇情の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
夜明け前」より 著者:島崎藤村
おそろいますます御清適に渡らせられ、敬寿たてまつり候。陳れば、昨冬以来だんだん御懇情なし下されし娘粂儀、南殿村稲葉氏へ縁談御約諾申し上げ置き候ところ、図らずも心....
雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
らぬ身、ことさら芸道大切に、これまでとて、女性の肌にもふれておりませぬで、その御懇情《ごこんじょう》だけは、平にお忘れ下さるよう、申し上げたことでござります。そ....
鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
た。その後墓石の文字は陸羯南氏が書いた。この羯南氏は隣家に住んでいたが、永年特に懇情を尽して万事に注意するし、日本新聞関係としても、病苦で筆を執らなくなったにか....
東山時代における一縉紳の生活」より 著者:原勝郎
なやむと聞きて、目薬を贈ったこともあった。実隆の方でもまた宗祇に対して一方ならぬ懇情を運んだ。秘蔵の『神皇正統記』をも、望むに任せて宗祇に与えた。宗祇の依頼に応....
四十八人目」より 著者:森田草平
その文句がいいね。『自分ども存じ寄りの儀があって、今日限り同盟を退く。かねがね御懇情を蒙ったが、年取った親もあることとて、どうも思召しどおりになるわけに行かない....
西林図」より 著者:久生十蘭
には、まいりませんでしょうか」 冬亭は頭をさげて、 「さきほどから、さまざまご懇情をいただきまして、ありがたくぞんじておりますが、わたくしのほうにも、ひとつ、....
随筆 宮本武蔵」より 著者:吉川英治
存候、拙者も今程、肥後国へ罷下り、肥後守|念比ニ申候ニ付而、逗留仕居候、於其元御懇情ノ段、生々世々忝奉存候、我等儀、年罷寄、人中へ可罷出様子無御座、兵法も不成罷....