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「懈い〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

懈いの前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
縮図」より 著者:徳田秋声
まろうと思い、しばらくじっとしているうちに、身内がぞくぞくして来た。 今朝体の懈いのはそのせいだったが、それを言えば、 「私のせいじゃないよ。お前が悪いんじゃ....
新世帯」より 著者:徳田秋声
お作はただ思いがけないような切ないような気がした。この五、六日の不安と動揺とが、懈い体と一緒に熔け合って、嬉しいような、はかないような思いが、胸一杯に漂うていた....
足迹」より 著者:徳田秋声
ろには、花も大分進んでいた。 叔父はお庄の背後の方に坐り込むと、時計を見あげて懈い欠をしていた。時計はもう九時を過ぎていた。 「そんな手で出るというのがあるも....
」より 著者:徳田秋声
鹸工場の職工らしい酔漢が、呂律の怪しい咽喉で、唄を謳って通った。空車を挽いて帰る懈い音などもした。 K―は、茶の室でお銀たちを相手に、ちびちびいつまでも酒を飲....
」より 著者:徳田秋声
ついているような蒲団のなかへ入って、うとうとと夢心地に、何事をか思い占めながら気懈い体を横たえていた。その懈さが骨の髄まで沁み拡がって行きそうであった。障子から....
蒼白い月」より 著者:徳田秋声
ような感じのする料理を食べたり、あまりにも自分の心胸と隔絶した、朗らかに柔らかい懈い薄っぺらな自然にひどく失望してしまったし、すべてが見せもの式になってしまって....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
) いつの間にやらまた、お杉婆はだいぶ後に取り残されていた。宿を立つ前から体が懈い懈いといっていたが、まったく幾らか体の調子が悪いのかも知れない。とうとう我を....