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懐かしむ
「懐かしむ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
懐かしむの前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「縮図」より 著者:徳田秋声
り合わない感じであったが、チャチな新しい文化よりも、そうした黴くさいものの匂いを
懐かしむ若い人たちもあるのであった。 銀子はそのどっちでもなかったが、どこがよ....
「不尽の高根」より 著者:小島烏水
好むにせよ、好まざるにせよ)いかに適切にひびかせるであろう。 その名工の建築を
懐かしむ想いは、再度の富士旅行に、吉田の宿に足をとめた時に、更に新しくさせられた....
「獄中消息」より 著者:大杉栄
見ようともしない。聞くにまったく野生のものばかりだそうだ。僕の徳、はたしてこれを
懐かしむるに足るかどうか。ナツメ※が大怪我をしたそうだが、その後の経過はいいかし....
「自然現象の予報」より 著者:寺田寅彦
もこれらの考えが先験的必然のものなるにかかわらず自分はこれを理解し得ずとの悲観を
懐かしむる傾向あり。世人一般の科学に対する理解と興味とを増進するには、少なくも中....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
て、遑てていよいよ緊張する。鶴見はそれをあたかも幼馴染が齎らして来たもののように
懐かしむのである。 話が一度どくだみに白い花が咲いて、それが四弁だと数えている....
「雁」より 著者:森鴎外
を装われた馬のように、向うばかり見て猛進するものである。思慮のある男には疑懼を
懐かしむる程の障礙物が前途に横わっていても、女はそれを屑ともしない。それでどうか....
「沙漠の古都」より 著者:国枝史郎
漠! そこへ私は出かけるのだ。沙漠は私を呼んでいる。その呼び声を聞く時は西班牙を
懐かしむ心などは跡方もなく消えてしまう! 私は今日までまあどんなにその呼び声を待....
「深川女房」より 著者:小栗風葉
面白いことは二度とないねえ!」としみじみ言って、女はそぞろに過ぎ去った自分の春を
懐かしむよう。 「ははは、何だか馬鹿に年寄り染みたことを言うじゃねえか。お光さん....
「随筆 寄席囃子」より 著者:正岡容
まり気になる)点なのです。 「居残り」は私には狂馬楽・盲小せん・先代正蔵の時代を
懐かしむ意味で何ともいえないものばかりでなく、この人のは先年もなかなか「品川」が....
「墓が呼んでいる」より 著者:橘外男
しかもそのスパセニアが、私の姿を見ながら、確かに私と真正面に顔を合わせながら、
懐かしむどころか! 涼しい眸に、憤りとも怨みとも付かぬ非難の色をうかべて、涙ぐみ....