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懐石
「懐石〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
懐石の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「食魔」より 著者:岡本かの子
嬢さんたちのための花の下慥え、茶の湯の家ではまたお嬢さんや夫人たちのための点茶や
懐石のよき相談相手だった。拓本職人は石刷りを法帖に仕立てる表具師のようなこともや....
「不審庵」より 著者:太宰治
光、紹鴎、利休の茶道。なかなか茶道も、たいへんなものだ。茶室、茶庭、茶器、掛物、
懐石の料理|献立、読むにしたがって私にも興が湧いて来た。茶会というものは、ただ神....
「仮装人物」より 著者:徳田秋声
は庸三に訊きに来られると、顔を赤くして、 「いやよ、見に来ちゃあ。」 お国風の
懐石料理をいくらか心得ていた姉は、大鍋にうんと拵えた三平汁を見ると、持前の鋭い目....
「旅愁」より 著者:横光利一
世界の芳情ある題であった。
日も落ちてから矢代らは、あまり日比谷とへだたらぬ
懐石店へ集った。世話係の塩野はもう見えていて、東野の講演の番までそこで夕食を摂り....
「艸木虫魚」より 著者:薄田泣菫
の頃、原田順阿弥という茶人があった。あるとき、老中松平左近将監の茶会に招かれて、
懐石に柚味噌をふるまわれたことがあった。その後幾日か経て、順阿弥は将監にあいさつ....
「灯明之巻」より 著者:泉鏡花
のと、符帳でものを食うような、そんなのも決して無い。 梅水は、以前築地一流の本
懐石、江戸前の料理人が庖丁を※る。 この梅水のお誓は、内の子、娘分であるという....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
」 「は、いや、その。」 ああ、そうか、思い出した。この真珠の本店が築地の割烹
懐石で、そこに、月並に、懇意なものの会がある。客が立込んだ時ここから選抜きで助け....
「野萩」より 著者:久生十蘭
ろうとしますと、もうすこし、もうすこしって……」 廊下に足音がして、女中たちが
懐石膳を運んできた。 向《むこう》は鯛のあらい、汁は鯉こく、椀盛は若鶏と蓮根、....
「お茶の湯満腹談」より 著者:夢野久作
」 なぞ言う無邪気な主人翁の愛嬌話のうちにお茶席に案内をされて、名にのみ聞きし
懐石なるものが出た。内心恐れをなしながらよく見ると、これも主人翁の心配りであった....
「茶粥の記」より 著者:矢田津世子
ウコギやウルシの若葉のおひたし、山蕗の胡麻よごしを思い描く。それから初風炉の茶湯
懐石の次第にまで深入りする。汁、向う付、椀、焼物……と順次に六月の粋を味わいなが....
「白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
温泉の形がある。 椎の葉にもる風流は解しても、鰯のぬたでないばかり、この雲助の
懐石には、恐れて遁げそうな姫ぎみが、何と、おでんの湯気に向って、中腰に膝を寄せた....
「食道楽」より 著者:村井弦斎
も》う。然《しか》れども小説中に料理法を点綴《てんてい》するはその一致せざること
懐石料理に牛豚の肉を盛るごとし。厨人《ちゅうじん》の労苦尋常に超《こ》えて口にす....
「料理芝居」より 著者:北大路魯山人
料理人が大根役者であって、名優でないからである。今日、何々フランス料理、茶料理、
懐石などを看板にして誇張するものは、現実に非難されもするが喜ばれているものもある....
「日本の伝説」より 著者:柳田国男
の袂石 福岡県 糸島郡深江村…………………………………………………………………鎮
懐石 三潴郡鳥飼村大石……………………………………………………………大石神社 山....
「舌のすさび」より 著者:吉川英治
さと味にはしょせんかなうまい。 どうも貧乏育ちのせいか、総じてわたしなどは、茶
懐石でも料亭の物でも、うまいといつ迄もおぼえていて、あとあと、又の邂逅を舌が待ち....