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「懦夫〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

懦夫の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
文芸の哲学的基礎」より 著者:夏目漱石
的理想と合するように意志が発現してくると非常な高尚な情操を引き起します。いわゆる懦夫《だふ》をして起たしむとはこの時の事であります。英語ではこれを herois....
蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
任を果そうとして居るところは、其の魂の張り切り沸《たぎ》り切って居るところ、実に懦夫《だふ》怯夫《きょうふ》をしてだに感じて而して奮い立たしむるに足るものがある....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
て我を忘れつつある間に、東北の一隅にかかる大経綸策を立つる豪傑の存在することは、懦夫《だふ》を起たしむる概あるものには無之候哉。 なほ又、当時、日本の人物は西南....
秋の筑波山」より 著者:大町桂月
形勢を観望せるに当り、大義を説きて、その心を飜へさむとせしもの也。辞意痛切、所謂懦夫を起たしむるの概あり。然れども、親朝の腐れたる心には、馬耳に東風、城陥りて、....
瘠我慢の説」より 著者:福沢諭吉
者なりと評して、これに答うる辞《ことば》はなかるべし。一時の豪気《ごうき》は以て懦夫《だふ》の胆《たん》を驚《おどろ》かすに足り、一場の詭言《きげん》は以て少年....
道鏡皇胤論について」より 著者:喜田貞吉
の公正なる、その行動の勇敢なる、万世の後になお我が皇統の特異なる所以を知らしめ、懦夫をして為に起たしむべきものである。何人かこれを欽慕せざるものがあろう。ただそ....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
うにしてだんだん問答を進めますので、その問い方と答え方の活発なる事は真にいわゆる懦夫を起しむるの概があるです。 修学僧侶の問答 その例を一つ申しますが、今....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
身に問うてみると、彼は決して、そんな生涯の約束を、甘受できなかった。反対に、 「懦夫! 何を迷う」 と、身を罵って、攀じ難き峰を仰いで、よけいに※いた。 時....
鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
の両親や兄弟たちに憂き目を見せたくないばかりに、恋を捨て武士を捨て、血も泪もない懦夫となり終っていたが、今こそ、岐路に立った弦之丞は、自分の指して行く道を瞭かに....
三国志」より 著者:吉川英治
皇叔には、三|顧の礼をつくし、かつ、過分な至嘱をもって、自分を聘せられた。性来の懦夫も起たざるを得ぬではないか。――兄はただ今より即ち皇叔に附随して新野の城へゆ....
三国志」より 著者:吉川英治
わち呉の陣門へ降りませんか」 関羽は肩で苦笑した。 「呉侯は人をみる明がない。懦夫に説くような甘言はよせ。窮したりといえど、関羽は武門の珠だ。砕けても光は失わ....