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懸隔
「懸隔〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
懸隔の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
」が芸術に与える価値と、彼の心情が芸術に与えようとする価値との間には、存外大きな
懸隔《けんかく》がある。従って彼のうちにある、道徳家が前者を肯定するとともに、彼....
「路上」より 著者:芥川竜之介
ている野村と、多くの女に地獄《じごく》を見ている大井と――それらの間にある大きな
懸隔は、一体どこから生じたのだろう。いや、それよりも二人の愛は、どちらが本当の愛....
「片信」より 著者:有島武郎
には、生活様式の上にも、それから醸《かも》される思想の上にも、容易に融通しがたい
懸隔のあることを感じ、現在においてはそれがブルジョアとプロレタリアの二階級におい....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
このような哲学的の考え方と、後日それから導かれた科学上の法則との間には実は大きな
懸隔があるのである。たとえばエンペドクレスあるいはデモクリトスが、当時の一般の意....
「最終戦争論」より 著者:石原莞爾
なければならない。 如何なる時、如何なる所に於ても、両交戦国の戦争力に甚だしい
懸隔があるときは持久戦争とはならないのは、もちろんであり、第二次欧州大戦に於ける....
「赤耀館事件の真相」より 著者:海野十三
附近は急激なる気象の変化をうけたものですから、室内と室外の気象状態にすくなからぬ
懸隔ができたため、実に著しい曲線の変化が起ったのです。この曲線の左の方を見ますと....
「自叙伝」より 著者:大杉栄
どの文章に大ぶ心を引かれるようになった。そしてその翌年の春頃には、学校で「貧富の
懸隔を論ず」などという論文を書いて、自分だけは一ぱしの社会改革家らしい気持になっ....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
飢えたる腹をかかへて、言い知れぬ悲嘆の泪に暮れるばかり、守護の天使とても、境涯の
懸隔は、これを如何ともするに由なく、ただ空しく、遠方から淪落の痴漢の暗き行末を、....
「梵雲庵漫録」より 著者:淡島寒月
る。忙しく余裕のない現代に生活している若い人たちが聞いたら、そこには昼と夜ほどの
懸隔を見出す事であろうと思われる位だった。 (大正十二年四月『七星』第一号) ....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
の間の紛糾んだ事情は余り深く立入る必要はないが、左に右く夫妻の身分教養が著るしく
懸隔して、互に相理解し相融合するには余りに距離があり過ぎたのが原因であった。公平....
「飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
でもと其後を追ったが、敵は非常に逃足が疾い。森を出抜ける頃には、既に十五六|間も
懸隔たって了った。 「畜生……到底駄目だ。」と、市郎は呟きながら引返して来ると、....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
曰く、日本人中、その従来の宗教家のこれをヤソ教者に比して、徳行、学識ともに数等の
懸隔あるを痛責して、日本将来の宗教はヤソ教を用うるにしかずと論ずるものあれども、....
「西航日録」より 著者:井上円了
明媚と称すべき名所なるも、これをわが熱海に比するに、天然の風致にいたりては大なる
懸隔ありといわざるべからず。その第一の欠点を挙ぐれば、樹木および清流の欠乏せると....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
いの割合なるに、南半球は一方マイルに四、五人に過ぎざるべし。年代につきては、その
懸隔のはなはだしきこと言をまたざるなり。余、かつて一絶を賦してその意を述ぶ。 青....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
交戦国の戦争力ほとんど相平均しているところから生ずるものであり、その戦力甚だしく
懸隔ある両国の間には勿論容易に決戦戦争となるのは当然である。今ほとんど相平均して....