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懾
「懾〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
懾の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「義血侠血」より 著者:泉鏡花
ぬ。 そのとき車夫はいっせいに吶喊《とっかん》して馬を駭《おど》ろかせり。馬は
懾《おび》えて躍り狂いぬ。車はこれがために傾斜して、まさに乗り合いを振り落とさん....
「弟子」より 著者:中島敦
》汝に告げん。君子|楽《がく》を好むは驕《おご》るなきがためなり。小人楽を好むは
懾《おそ》るるなきがためなり。それ誰《だれ》の子ぞや。我を知らずして我に従う者は....
「魚玄機」より 著者:森鴎外
それが甚しく狡獪なように感ぜられた。玄機は床の上に跪いている女を押し倒した。女は
懾れて目を※っている。「なぜ白状しないか」と叫んで玄機は女の吭を扼した。女はただ....
「渋江抽斎」より 著者:森鴎外
った。父忠兵衛も牧も、少女の意の斥す所を暁っていたが、父は憚って肯て制せず、牧は
懾れて咎めることが出来なかった。 牧は奈何にもして五百の感情を和げようと思って....
「中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
の方に流れ込んだ今一つの特色があった。それは駄洒落である。一体古代の笑いは敵魔|
懾伏の魔法であったことが民俗学の方から次第に明らかにされて来ているが、そこまでは....
「黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
で何か知らん目には見えないが、其処に恐ろしい或者が立ちはだかっていて、雲は其前に
懾伏して、進むことも退くことも出来ないもののようである。飯縄山のすぐ北に駢んでい....