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成否
「成否〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
成否の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「報恩記」より 著者:芥川竜之介
は甚内よりもわたしの顔に、自然と苦笑が浮びました。しかしそれはともかくも、調達の
成否《せいひ》を聞かない内は、わたしの心も安まりません。すると甚内は云わない先に....
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
》を合せながら、心|静《しずか》にその日を待った。今はもう敵打《かたきうち》は、
成否の問題ではなくなっていた。すべての懸案はただその日、ただその時刻だけであった....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
ずかな塵にしかすぎないのでございます。そこで、私の父と算哲様は後年を約して、その
成否を私が見届けることになりました。ところが、その際算哲様は、すこぶる陰険な策動....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
三日の公判の結果について既に死を決していたのではあるまいか。判官忌避の如きはその
成否眼中にない程彼は庄司氏の証言に絶望を痛感したのではあるまいか。聞く所によると....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
留学、外国法律書の翻訳なぞは、皆この気運を語らないものはない。もとより条約改正の
成否は内閣の死活にもかかわるところから、勢力のある政治家はいかなる代償を払っても....
「三人の相馬大作」より 著者:直木三十五
の前で、いささか、心中の気を吐いて、倒れるだけじゃ。丈夫の事を為す。必ずしも事の
成否を問わん。ただ、心の命ずるがままに行って、倒れて後やむ。わしは、江戸へ戻るぞ....
「宇宙尖兵」より 著者:海野十三
ていただきたい。日本人の貴方ゆえに、充分信用してはいるが、これはわれわれの任務の
成否に関する重大な岐路となるのでねえ」 「大丈夫ですよ、そんなこと……」 僕は....
「日本イデオロギー論」より 著者:戸坂潤
馬鹿に出来ない民族主義的社会理論の一端を本能的につかんでいるわけなのである。その
成否はとに角として、存娼運動は、現在日本に於ける、復古観念の単に最も色情的な一表....
「計略二重戦」より 著者:甲賀三郎
をじっと見詰めながら重々しく云いました。 「本官は貴官に重大な命令を与える。事の
成否は帝国の安危に係っている。仁科少佐は、天皇陛下並に日本帝国の為、万難を排し、....
「字で書いた漫画」より 著者:谷譲次
が二ペンスの賭け。 デンプシイとタニイ、ベイブの安打数、市長の選挙、軍縮会議の
成否はもとより、生れる子が男か女か、今度とおる自動車は偶数か奇数か、お前とおれが....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
、成功の義務は、彼のような弱い者にとってはたまらない重荷であった。姉は彼の学業の
成否に自分の生涯《しょうがい》を賭《か》けてるのだった。そういうことを考えるのは....
「私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
たに仕事をする時は慎重の上にも慎重を加え、計算の精密を期さなくてはならん。事業の
成否は懸ってこの一事に在るものである。 私は決して諸君の経済生活に立入るのでは....
「南国太平記」より 著者:直木三十五
「小太郎と二人で?」
「うむ」
「牧には、少くも、十人の護衛がおりまするぞ」
「
成否は問わぬ、意地、武門武士の面目として」
「では、力を添えて下されますか」
「....
「「太平洋漏水孔」漂流記」より 著者:小栗虫太郎
狂態百出のさまとなるのだ。いま、その“Cohoba”の妖しい夢のなかで、独木舟は
成否を賭け飛沫をあびながら走っている。 それから、渦中をゆくことなん時間後のこ....
「春心」より 著者:田中貢太郎
坐っていた。 「帰ったな」 松山が岡本の顔を見た。松山は岡本の顔色によって事の
成否を知ろうとしていた。半ちゃんは元より岡本の帰るのを待ちかねていた。 「お帰り....