成文[語句情報] »
成文
「成文〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
成文の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
やら、その姉妹魚の方をでも手に入れて来るのであった。彼の信じて立てた方針では、完
成文化魚のキャリコとか秋錦とかにもう一つ異種の交媒の拍車をかけて理想魚を作るつも....
「仮装人物」より 著者:徳田秋声
が、彼の口にする青年学徒のなかには、すでに左傾的な思想に走っている者もあって、既
成文壇を攻撃するその熱情的な理論には、彼も尊敬を払っているらしかった。 「それに....
「法窓夜話」より 著者:穂積陳重
はなく、その内容は、アテネ古来の慣習法としてドラコー以前に存在し、彼はただこれを
成文法としてなしたるに過ぎないということである。 この説の当否はとにかく、ドラ....
「石狩川」より 著者:本庄陸男
は正五位監事に補せられ月俸百円を給せられた。
十一月にはケプロンの第一次報告が
成文になった。むろん、政府も、開拓使さえも、深くは蝦夷地を知らないのだ。従って方....
「戦雲を駆る女怪」より 著者:牧逸馬
なんであったか、一説には、センセイショナルな内容を有する露仏《ろふつ》秘密条約の
成文だったとも伝えられているが、いまだに判然しない。しかし、このために、欧州大戦....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
徳ありし証ともなれば、邦家の成立由来するところ一朝夕の事にあらざるを明らむべき不
成文の史籍ともなったのだ。伊豆の三島の神は鰻を使者とし神池の辺で手を拍《う》てば....
「新しい抵抗について」より 著者:宮本百合子
に、「しかし」の谷間まであふれてゆかなければならない段階にきていると信じます。既
成文化の否定から、新しい文化の具体的な誕生による肯定の面へまででてゆかずにはいら....
「世界の一環としての日本」より 著者:戸坂潤
処から、この教養は思想としてではなくて文化として、文化の批判者としてではなくて既
成文化の高水準に立つものとして、尊重される。それであるが故にまた、今日この漱石的....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
を、少しも精査し考察していなかった。刑罰という語に少しも反感を持っていなかった。
成文律を犯した者が永久の罰を被るのは、きわめて至当なことであると考え、文明の方法....
「巴里の唄うたい」より 著者:岡本かの子
行った。審議は仕直された。第二の決議が出来た。すこぶる激越の調子を帯びた決議文が
成文された。 「われ等はラジオの拡声器を職業の敵と認める。われらは拡声器に対し戦....
「奉行と人相学」より 著者:菊池寛
まりと、スリが五、六件である。が、一件の金額が十両以上のものはなかった。その頃の
成文法及び慣習法に依ると、その人間の盗んだ金額が、総額がいくらに上ろうと、一件の....
「法学とは何か」より 著者:末弘厳太郎
その顕著な場合である」。そして「近代国家の国家活動は、あらかじめ国民に公示された
成文法秩序のもとに、専門的かつ無私的な官僚によって、計画性と安定性とをもって執行....
「日本の近代的探偵小説」より 著者:平林初之輔
的になることであり、検挙および裁判が確実な物的証拠を基礎として行われ、完成された
成文の法律が、国家の秩序を維持していることである。 たしかなことは、調べてみな....
「思想動員論」より 著者:戸坂潤
るものなのだ。処が国体なるものは、少なくとも必要な最小限度に於いて、日本の憲法の
成文が説明する処であるから、之ならば明々白々、明々徴々たるものなのだ。と同時に、....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
に依る武力価値の絶対性向上は遂に統帥権の独立を完成したのであった。それでもこれが
成文化されたのは普仏戦争後十年余を経た一八八三年五月二十四日であることはこの問題....