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成物
「成物〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
成物の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
低い赤色の星では炭素化合物なかんずくシアンが現われる。既に地球上で知られている組
成物質以外のものはどの星にもないという説は当っていない。たとえばピッケリングはい....
「殺人の涯」より 著者:海野十三
体が溶けて濃度が或る個所だけ濃くなり過ぎると、直ぐその部分が変質して不溶解性の新
成物を生ずる。そこに攪拌の六ヶ敷い手際が入用だ。 「だが、女房を殺すまでのことは....
「映画と生理」より 著者:寺田寅彦
の分配が設定されたりする。それが今までに残存していた前の学問的な精神集注による生
成物に作用してそれを分解し、あるいは復元し、それによって残存していた固定観念のよ....
「自由画稿」より 著者:寺田寅彦
だいたい正しく解説されていたように思う。すなわち、人間の肉も骨も血もいっさいの組
成物質の屈折率をほぼ空気の屈折率と同一にすれば不可視になるというのである。びん入....
「ルクレチウスと科学」より 著者:寺田寅彦
れがちょうどブラウン運動の記述に相当する事である。 元子が動いているのにその組
成物体が静止しているように見える事のあるのは何ゆえか。それはわれわれの「知覚には....
「科学論」より 著者:戸坂潤
いう資格を有った知識のことであるか。だがよく考えて見ると、知識それ自身が一つの構
成物であった。そして構成するには一定の構成目的とその目的に適した構成手段とがあっ....
「技術の哲学」より 著者:戸坂潤
いても当て嵌まるという点が大事だ。 で、資本主義社会に於ける技術家の過剰との合
成物――技術家の過剰――なのである。 技術家の失業の原因と考えられた技術家の過....
「道徳の観念」より 著者:戸坂潤
を加えようと又自分が自分に加えようとだ。その意味で道徳とは常識的に云えばいつも既
成物のことだ。だから常識的俗物は好んで道徳を口にするに拘らず(人の噂や評判又告白....
「読書法」より 著者:戸坂潤
時間も亦一種の体験時間であると思うものである」云々。「人はいつしか吾々の心中の構
成物であることを忘れて、それを意識とは独立に存在するものとするに至った。」併しこ....
「認識論とは何か」より 著者:戸坂潤
せよ、それはとに角まず模写だと考えられる。つまり模写は、如何に模写説とは反対に構
成物や其の他のものであっても、模写であることに変りはない。丁度人間が如何に非人間....
「映画のもつ文法」より 著者:中井正一
てのカットをほりださなければならない映画の構造は、実に新しい文法を創りつつある生
成物なのである。創作の最後の仕上げを大衆にゆだねなければならない芸術として、それ....
「女大学評論」より 著者:福沢諭吉
出すべし。箇様《かよう》の者は必ず親類の中をも言妨《いいさまたげ》て家を乱す基と
成物《なるもの》也。恐るべし。又|卑者《いやしきもの》を使ふには気に合ざる事多し....
「哲学入門」より 著者:三木清
それに属する形象並びに意味内容は、最も単純な感性知覚から最も複雑な表象や思惟の構
成物に至るまで、単に外的対象及びそれに由来する感官刺戟に結び付けられているのでな....
「この夏」より 著者:宮本百合子
に物売りの方が多い。その沢山の物売りが独特な発声法で、ハムやコーヒー牛乳という混
成物を売り廻る後に立って、赤帽は、晴やかな太陽に赤い帽子を燦めかせたまま、まるで....
「今日の文学の展望」より 著者:宮本百合子
文学を通じてもたらされたニイチェ、ドストイェフスキー熱はミドルトン・マリがその混
成物であるというジイドの芸術をも益々日本の読者層に輸入した。又ジイドがフェルナン....