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我と
「我と〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
我との前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「良夜」より 著者:饗庭篁村
の英雄が集まる東京に出るとも第二流には落つまじと俄かに気強くなりて、密かに我腕を
我と握りて打笑みたり。この頃の考えには学者政治家などという区別の考えはなく、豪傑....
「ある自殺者の手記」より 著者:秋田滋
しては、ただ漠然と「不思議な」という言葉が使われるのだ。 そうした「動機もなく
我とわが生命を断った」人間の一人が書き遺していった手記がその男のテーブルの上に発....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
ると、天上に散在する無数の星にも多少の同情を禁じ得ない。いや、明滅する星の光は我
我と同じ感情を表わしているようにも思われるのである。この点でも詩人は何ものよりも....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
のものを奪い取っているのだ。個性が充実して他に何の望むものなき境地を人は仮りに没
我というに過ぎぬ。 この事実を思うにつけて、いつでも私に深い感銘を与えるものは....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
したが、彼のこの表はかのプトレマイオスのものよりもずっと価値の高いものとされ、彼
我ともに古代から伝わったものの中で最も良いものとされている。彼はまた今日のいわゆ....
「世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
も耳には入らず、頭の上の青空も目には見えなかった。ある時は慟哭し、また或る時には
我とわが髪を引きむしって気違いのように救いを求めたりしていたが、結局は静かに冷然....
「初めて見たる小樽」より 著者:石川啄木
年幾千年の因襲的《いんしゅうてき》法則をもって個人の権能を束縛する社会に対して、
我と我が天地を造らむとする人は、勢いまず奮闘《ふんとう》の態度を採《と》り侵略の....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
に思ったばかりであるか、それさえも現である。 「松や、」と言って、夫人は我が声に
我と我が耳を傾ける。胸のあたりで、声は聞えたようであるが、口へ出たかどうか、心許....
「活人形」より 著者:泉鏡花
得三といえるが、家事万端の後見せり。 叔母には下枝、藤とて美しき二人の娘あり。
我とは従兄妹同士にていずれも年紀は我より少し。多くの腰元に斉眉かれて、荒き風にも....
「唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
かに投げた腕を撫で、撫で、 (この、清い、雪のような手を見て下さい。私の偏執と自
我と自尊と嫉妬のために、詮ずるに烈しい恋のために、――三年の間、夜に、日に、短銃....
「木の子説法」より 著者:泉鏡花
とく言う下に、 「若いお父さんに骨をお貰い。母さんが血をあげる。」 俯向いて、
我と我が口にその乳首を含むと、ぎんと白妙の生命を絞った。ことこと、ひちゃひちゃ、....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
て、 「おお、お雪か、お前! そして千破矢さんはどうした、」と数分時前、夢に渠と
我とともにあった少年の名をいった。 お雪はその時答えなかった。 理学士は繰返....
「高野聖」より 著者:泉鏡花
やりして来た、何しろ夜の白むのが待遠《まちどお》でならぬ。
そこではじめの内は
我ともなく鐘の音の聞えるのを心頼みにして、今鳴るか、もう鳴るか、はて時刻はたっぷ....
「菎蒻本」より 著者:泉鏡花
骨も削りました。 昏んだ目は、昼遊びにさえ、その燈に眩しいので。 手足の指を
我と折って、頭髪を掴んで身悶えしても、婦は寝るのに蝋燭を消しません。度かさなるに....
「春昼」より 著者:泉鏡花
に、うたゝ寐の歌がありますので。 客人はあと二、三日、石の唐櫃に籠ったように、
我と我を、手足も縛るばかり、謹んで引籠ってござったし、私もまた油断なく見張ってい....