戒む[語句情報] »
戒む
「戒む〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
戒むの前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「渋江抽斎」より 著者:森鴎外
し虎列拉の如き細菌の伝染をば奈何ともすることを得なかった。 抽斎は自ら戒め人を
戒むるに、しばしば沢山咸の「九四爻」を引いていった。学者は仔細に「憧憧往来、朋従....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
う、小形で体細く薄黒く川を游ぐものをしばしば見た。而《しか》して自分らの水游ぎを
戒むるとて、母が毎《いつ》も通し蛇が水游ぐ児の肛門より入りてその腸を食い、前歯を....
「敵討札所の霊験」より 著者:三遊亭円朝
ございます。若い中は色気から兎角了簡の狂いますもので、血気|未だ定まらず、これを
戒むる色に在りと申しますが、頗る別嬪が膝に凭れて 「一杯お飲んなさいよ」 なぞ....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
一|応丁寧に祈願の全部を聴いてやらねばならぬ。取捨は其上の事である。神として最も
戒むべきは怠慢の仕打、同時に最も慎むべきは偏頗不正の処置である。怠慢に流るる時は....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
わ》むことなく、厳として軟化せず、運命がいかなる状態にあろうとも、ひそかに犬人に
戒むるに猫人の存在をもってし、狐人に
戒むるに獅子人の存在をもってする。
マドレ....
「学者安心論」より 著者:福沢諭吉
次第にて、にわかにこれを喰《くら》いて腹を痛むることあり、養生法においてもっとも
戒むるところなれば用心せざるべからず。あるいは物の性質により、遠慮なく喰いて害を....
「日本男子論」より 著者:福沢諭吉
るは人情の常なり。内行を慎むが如き、非常の辛苦にあらず。在昔《ざいせき》はこれを
戒むるの趣意、単にその人の一身にありしことなれども、今は則《すなわ》ち一国の栄辱....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
夫人が音楽を教えて、後室が茶の湯生花の指南をするのであるから。 若き時はこれを
戒むる色にありで、師弟の間でもこの道はまた格別。花のごとく、玉のごとき顔に対して....
「将来の日本」より 著者:田口卯吉
功多し。願わくは他日|忸れて初心を忘るるなかれ。余初めて書を刊して、またいささか
戒むるところあり。今や迂拙の文を録し、恬然として愧ずることなし。警戒近きにあり。....
「西航日録」より 著者:井上円了
ことを望まざるべからず。余はアイルランドの村落貧民の状況を見て、一層日本の将来を
戒むるの情に切なるを覚えたり。 四月三日、午前ダブリンを発し、春雨蕭々のなか海....
「五重塔」より 著者:幸田露伴
是非なしと諦めて厭々ながら十兵衛が家|音問れ、不慮の難をば訪い慰め、かつは清吉を
戒むること足らざりしを謝び、のっそり夫婦が様子を視るに十兵衛は例の無言三昧、お浪....
「法然行伝」より 著者:中里介山
法然はこのことを聞いて、進んでは衆徒のいきどおりをなだめ、退いては弟子の僻見を
戒むる為に、自分の門徒を集めて七カ条の起請文《きしょうもん》を作り、門下の主立て....