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「戞〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

戞の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
ある。月にほのめいた両京二十七坊の夜の底から、かまびすしい犬の声を圧してはるかに戞々《かつかつ》たる馬蹄《ばてい》の音が、風のように空へあがり始めた。…… ....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
僧都の水晶の念珠が、まん中から二つに切れると、珠はさながら霰《あられ》のように、戞然《かつぜん》と四方へ飛び散りました。 「御坊《ごぼう》の手なみはすでに見えた....
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
《すが》ろうとした。が、まだ一足《ひとあし》も出さぬうちに彼女の耳にはいったのは戞々《かつかつ》と蹄《ひづめ》の鳴る音である。常子は青い顔をしたまま、呼びとめる....
「義血侠血」より 著者:泉鏡花
まと》い、身を持て余したるがごとくに歩みを運び、下駄《げた》の爪頭《つまさき》に戞々《かつかつ》と礫《こいし》を蹴遣《けや》りつつ、流れに沿いて逍遥《さまよ》い....
「闇の絵巻」より 著者:梶井基次郎
心に石を投げた。闇のなかには一本の柚《ゆず》の木があったのである。石が葉を分けて戞々《かつかつ》と崖へ当った。ひとしきりすると闇のなかからは芳烈な柚の匂いが立ち....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
しきかやの木の清浄なかおりをたしなみながら、ひんやりと手に冷たい石をとりあげて、戞然《かつぜん》と音たてながら打ちこんで行くことは、まことに颯々爽々《さつさつそ....
「恐怖の口笛」より 著者:海野十三
こともあるので、時間が足りないから止めにした。その代り検事と課長は練習場で、球を戞ッ飛ばしに出ていった。ジュリアと千鳥とは、その間にクラブ館の奥にある噴泉浴へ出....
「血の文字」より 著者:黒岩涙香
楽み終りて帰り来り、猶お球突の戯れを想いながら眠りに就しに、夢に球と球と相触れて戞々と響く音に耳を襲われ、驚き覚めて頭を※れば其響は球の音にあらで外より余が室の....
「文士としての兆民先生」より 著者:幸徳秋水
人開拓の田地の外、別に播種し別に刈穫せんと慾する所の処に存す。韓退之所謂務去陳言戞々乎其難哉とは正に此謂いなり、若し古人の意を※襲して即ち古人の田地の種獲せば是....
「ああ玉杯に花うけて」より 著者:佐藤紅緑
もいいよ」と千三は五大洲にいった。 「よしッ」 五大洲はまっすぐな球をだした。戞然と音がした、見物人はひやりとした、球ははたして千三に向かった、千三は早くも右....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
うはまぶしいほどに晴れた日で、わたしは雲雀の歌を聴きながら、乗馬靴に調子を取って戞かつとあたる帯剣の音を聴きながら、牧場を乗りぬけて行きました。そのうちに森のな....
「貞操問答」より 著者:菊池寛
、夫人はわざと一鞭くれた。 競走馬上りだけにかんのいい牝馬は、すぐ駈足になって戞々たる馬蹄の音を立てながら前川邸近い森の中に走り入ろうとしたように見えたが、何....
「大鵬のゆくえ」より 著者:国枝史郎
はなした。その矢はまさに誤たず大鵬の横腹に当ったが、こはそもいかに肉には通らず、戞然たる音を響かせて、二つに折れた矢は地に落ちて来た。 「残念！」とばかり二の矢....
「思い出草」より 著者:岡本綺堂
るところに糸を手繰る。またその間に、娘子供は羽根を突く。ぶんぶんという鳴弓の声、戞々という羽子の音。これがいわゆる「春の声」であったが、十年以来の春の巷は寂々寥....
「飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
い退けて、口に啣えたる刃物を把直した。其切先は危くも巡査の喉を掠めて、背後の岩に戞然と中ると、溌と立つ火花に敵は眼が眩んだらしい。其隙を見て巡査は再び組んだ。背....