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戦地
「戦地〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
戦地の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「河童」より 著者:芥川竜之介
です。わたしもあの戦争の時には硝子《ガラス》を製造するほかにも石炭|殻《がら》を
戦地へ送りました。」
「石炭殻を何にするのですか?」
「もちろん食糧にするのです....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
か。尤も我が米軍の警戒も、完全にやっているせいもあるが、そこへ持ってきて、此の海
戦地点たるや日本の海岸を去る七百キロという近さじゃ。ちょいと手を伸ばせば、日本の....
「自叙伝」より 著者:大杉栄
の方と隣りの建物には、山形というやはり少佐か大尉かの家があった。僕の父もその頃は
戦地で大尉になっていた。 山形の家には僕より二つ三つ上のを頭に四、五人男の子が....
「人造人間エフ氏」より 著者:海野十三
の出征師団は、ある戦況に応ずるため、一時間でも早く目的地の大陸へつかないと、その
戦地において、わが大陸軍は、大なる損害をこうむらなければならない。 いや、保土....
「空襲警報」より 著者:海野十三
ふだんの防空演習と違って、いつも先に立って働いてくれた在郷軍人の連中の大部分が、
戦地へ召集されて出ていっている。残るは、わし等のような老ぼれと、少年達とばかりだ....
「琵琶伝」より 著者:泉鏡花
の籍にありしかば、一週日以前既に一度聯隊に入営せしが、その月その日の翌日は、旅団
戦地に発するとて、親戚父兄の心を察し、一日の出営を許されたるにぞ、渠は父母無き孤....
「沼夫人」より 著者:泉鏡花
て懇意ではないが見知越でいたのだった。 ちょうど戦争のあった年でね。 主人は
戦地へ行って留守中。その時分、三才だった健坊と云うのが、梅雨あけ頃から咳が出て、....
「車中有感」より 著者:上村松園
って、そこに白々と建っている標柱に、何のそれがし戦死のところ、とか、東軍西軍の激
戦地とかの文字を読んで、つわものどもの夢の跡を偲んだりするのは無限の愉しみである....
「一老人」より 著者:犬田卯
って歩いて、「俺は決して気なんか違っていない。若いものはみんなああして次ぎつぎに
戦地へ出て行く。
戦地へ行けない男女老若といえども、それぞれ自分の職に励んで、幾分....
「おびとき」より 著者:犬田卯
ぺから、これ飲んだらどうだや」と彼女は二合瓶を傍の土瓶へあけて火の上にかけ、 「
戦地からお艶らお父の写真来てたっけよ。一枚はこう毛のもじゃもじゃした頭巾みてえな....
「荒蕪地」より 著者:犬田卯
一 「……アレは、つまり、言ってみれば、コウいうわけあいがあるンで……」
戦地から来た忰の手紙に、思いきって、いままで忰へ話さずにいたことを余儀なく書き送....
「二葉亭余談」より 著者:内田魯庵
は余り平らかでなかったが、東京の編輯局には毎日あるいは隔日に出掛けて、海外電報や
戦地の通信を瞬時も早く読むのを楽みとしていた。 「砲声聞ゆ」という電報が朝の新聞....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
、トランスバール州に通ずる関門なり。その国境まで三百七マイルにして、中間、先年の
戦地多し。ナタール州の首府ピーターマリッツバーグは、ダーバンより七十マイルあり。....
「押しかけ女房」より 著者:伊藤永之介
に、佐太郎は農業学校を卒業すると同時に、田圃に下りて働いたが、教壇からもドン/\
戦地にもつて行かれて教員の不足になやみはじめた学校が、多少でも教育のある者の援助....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
直訳にて勝利は天運によりしもの多し。 目下われらが考えおる日本の消耗戦争は作
戦地域の広大なるために来たるものにして、欧州大戦のそれとは根本を異にし、むしろナ....