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戦火
「戦火〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
戦火の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「流行暗殺節」より 著者:佐々木味津三
藪医者でも、この医者は只の医者ではなかった。彰義隊討伐、会津討伐と、息もつかずに
戦火の間を駈けめぐったおそろしく胆の太い藪医者だった。 「来たのう、なん人じゃ…....
「霊魂第十号の秘密」より 著者:海野十三
て走る。隆夫のたましいは、車上からこの町をめずらしく、おもしろく見物した。革命と
戦火にたびたび荒されたはずのこの港町は、どういうわけか、どこにも被害のあとが見ら....
「落ちてゆく世界」より 著者:久坂葉子
本に二つしかないという鶏冠壺は、それ等のなかで、一番大事にしておりましたけれど、
戦火の下に、やはり他のものと一しょになくなっておりました。しばらくの間、失った子....
「現代の詐術」より 著者:坂口安吾
日本が亡びてもウマイモノがたべたい。あの人と一緒にいたい。 その大衆は又、あの
戦火にやかれ、危く生き残って、黙々、嬉々たる大衆である。彼らの生活力は驚くべきも....
「淪落の青春」より 著者:坂口安吾
分家分禄して、東京に小さな売家を買ってもらい、女房に二人の子供があるが、家の方は
戦火で焼けて、女房子供はその実家へ帰っている。この村から十里ほど離れた村の地主の....
「ヤミ論語」より 著者:坂口安吾
か、親ゆずりの多少の家産でともかく今日まで平和であった平凡な家庭などで、虎の子を
戦火にやかれる、肉親の誰かを戦野で失う、政治を呪い世を呪う事々の呟きが次第に一家....
「アンゴウ」より 著者:坂口安吾
が目についたので、とりあげた。 一度は彼も所蔵したことのある本であるが、出征中
戦火でキレイに蔵書を焼き払ってしまった。失われた書物に再会するのはなつかしいから....
「水鳥亭」より 著者:坂口安吾
、責任をもっていただく必要はありません」 「ダメ。ダメ。あなたがそう仰有っても、
戦火で焼くとか、紛失するとか、してごらんなさい。野口はくだらぬ私物を大事にして、....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
んだ。津右衛門が死んで一ヶ月ほどたって、上野寛永寺にたてこもった幕府軍が敗走し、
戦火が次第に関東から奥州へと延びる気配になったころ、父の兆久と兄の天鬼が三十五日....
「雪の宿り」より 著者:神西清
いる。しかし主人の身になってみれば、紛々たる巷説の入りみだれる中で、つい最近まで
戦火の渦中に身を曝していたこの連歌師の口から、その眼で見て来た確かな京の有様を聞....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
喜んでいる。 鶴見は震災後静岡へ行って、そこで居ついていたが、前にもいった通り
戦火に脅かされて丸裸になり、ちょうど渡鳥が本能でするように、またもとの古巣に舞い....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
内の旅行者にこれほど心強いことはないのである。 我々が宿泊を予定してきた油屋は
戦火でなくなっていた。外宮が戦災をうけたことは聞いていたが、宇治山田の街がやられ....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
松島は昔からの日本三景の親玉だ。それでタクサンでゴザリスデゴザリスでござりすよ。
戦火でやける前の仙台の街は知らないが、戦後の仙台は新しい大通りを新設し、現在は工....
「福沢諭吉」より 著者:高山毅
、慶応義塾では、しずかに講義がおこなわれたのでした。諭吉の教育の仕事は、こうして
戦火をくぐりぬけて、しだいにくりひろげられていくことになりました。 彰義隊の負....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
わち国民皆兵の真の徹底である。老若男女のみならず、山川草木、豚も鶏も総て遠慮なく
戦火の洗礼を受けるのである。全国民がこの惨禍に対し毅然として堪え忍ぶ鉄石の精神を....