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戯れ
「戯れ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
戯れの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
らした。
葉子はその晩不思議に悪魔じみた誘惑を古藤に感じた。童貞で無経験で恋の
戯れにはなんのおもしろみもなさそうな古藤、木村に対してといわず、友だちに対して堅....
「或る女」より 著者:有島武郎
には、西洋人の子供たちが犢《こうし》ほどな洋犬やあまに付き添われて事もなげに遊び
戯れていた。そして葉子を見ると心安立《こころやすだ》てに無邪気にほほえんで見せた....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
って来た一人の年配な内儀さんは、君を認めると、引き綱をゆるめて腰を延ばしながら、
戯れた調子で大きな声をかける。 「はれ兄さんもう浜さいくだね」 「うんにゃ」 「....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
と同情の人であることが出来ない。私にはまださもしい未練が残っていて、凡てを仮象の
戯れだと見て心を安んじていることが出来ない。そこには上品とか聡明とかいうことから....
「クララの出家」より 著者:有島武郎
れる光線は、いくつかの細長い窓を暗く彩って、それがクララの髪の毛に来てしめやかに
戯れた。恐ろしいほどにあたりは物静かだった。クララの燃える眼は命の綱のようにフラ....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
て、町方の娘たち、一人が三ツ二ツ手毬を携え、同じように着飾って、山寺へ来て突競を
戯れる習慣がある。少い男は憚って、鐘撞堂から覗きつつその遊戯に見愡れたが……巨刹....
「海の使者」より 著者:泉鏡花
、別のものではない、虎斑の海月である。 生ある一物、不思議はないが、いや、快く
戯れる。自在に動く。……が、底ともなく、中ほどともなく、上面ともなく、一条、流れ....
「妖僧記」より 著者:泉鏡花
師がお通に意あるが如き素振を認めたる連中は、これをお通が召使の老媼に語りて、且つ
戯れ、且つ戒めぬ。 毎夕|納涼台に集る輩は、喋々しく蝦蟇法師の噂をなして、何者....
「照葉狂言」より 著者:泉鏡花
なる笑声の、はじめは恐しかりしが、果は懐しくなりて、そと後より小さき手に目隠して
戯れたりし、日数もなく、小六は重き枕に就きつ。 湯を呑むにさえ、人の手かりたり....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
に、奥へ導かれるのを逡巡して言ったが、尋常ならぬ光景に感ずる余り、半ばは滝太郎に
戯れたので。 「おいで、さあ、夜が明けると人が見るぜ。出後れた日にゃあ一日|逗留....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
い面を、目も口も分らぬ真仰向けに、草に擦つけ擦つけて転げる工合が、どうも狗ころの
戯れると違って、焦茶色の毛の火になるばかり、悶え苦むに相違ござらん。 大蛇でも....
「多神教」より 著者:泉鏡花
蘆毛は、ひとりして鰭爪軽く、お沢に行く。 丁々坊 ははは、この梟、羽を生せ。(
戯れながら――熊手にかけて、白拍子の躯、藁人形、そのほか、釘、獣皮などを掻き浚う....
「春昼後刻」より 著者:泉鏡花
小獅子は一層|活溌に、衝と浪を追う、颯と追われる。その光景、ひとえに人の児の
戯れるようには見えず、かつて孤児院の児が此処に来て、一種の監督の下に、遊んだのを....
「遠野の奇聞」より 著者:泉鏡花
山道にさしかかりて、草刈りの女に逢う。その女、容目ことに美しかりければ、不作法に
戯れよりて、手をとりてともに上る。途中にて、その女、草鞋解けたり。手をはなしたま....
「ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
い白雪は、お定りその南天燭の葉を耳に立てると、仔細なく兎である。雪の日の愛々しい
戯れには限らない。あまねく世に知られて、木彫、練もの、おもちゃにまで出来ている。....