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戯れる
「戯れる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
戯れるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「茶の本」より 著者:岡倉覚三
花はわれらの不断の友である。花とともに飲み、共に食らい、共に歌い、共に踊り、共に
戯れる。花を飾って結婚の式をあげ、花をもって命名の式を行なう。花がなくては死んで....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
でいますから、心は地に落ちたる絮の如くでござる」と、僧は答えた。 劉はいよいよ
戯れるように言った。 「それでは、ここであなたの道心を試みて、いよいよ諸人の信仰....
「家」より 著者:島崎藤村
何よりですよ」 「そんなことをしないたッて、お婿さんを貰ってやるが可い」と三吉は
戯れるように言った。 「叔父さんはああいうことを言う……」 とお仙は呆れて、笑....
「家」より 著者:島崎藤村
お延は勝手の方から手を振ってやって来た。 「オイ、オイ」と三吉は自分の子供にでも
戯れるように言った。「そうお前達のように馬鹿にしちゃ困るぜ……これでも叔父さんは....
「八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
我らにとって熊や猪は、仲のよい友達でございます。その仲のよい友達同士が、相搏ち相
戯れる光景は必ず馬鹿者の下界人にも、興味あることでございましょう。実に下界人の馬....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
て、町方の娘たち、一人が三ツ二ツ手毬を携え、同じように着飾って、山寺へ来て突競を
戯れる習慣がある。少い男は憚って、鐘撞堂から覗きつつその遊戯に見愡れたが……巨刹....
「海の使者」より 著者:泉鏡花
、別のものではない、虎斑の海月である。 生ある一物、不思議はないが、いや、快く
戯れる。自在に動く。……が、底ともなく、中ほどともなく、上面ともなく、一条、流れ....
「ある女の生涯」より 著者:島崎藤村
、三吉には負けんぞい」 子供を前に置いて、おげんは蛙の鳴声なぞを真似して見せて
戯れるうちに、何時の間にか彼女の心は本物の蛙の声の方へ行った。何処かの田圃の方か....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
い面を、目も口も分らぬ真仰向けに、草に擦つけ擦つけて転げる工合が、どうも狗ころの
戯れると違って、焦茶色の毛の火になるばかり、悶え苦むに相違ござらん。 大蛇でも....
「『新訳源氏物語』初版の序」より 著者:上田敏
ぞありける」と記された薫大将の美、「扇ならで、これにても月は招きつべかりけり」と
戯れる大君の才までが、覚束ないうろおぼえの上に、うっすりと現われて、一種の懐しさ....
「堕落論」より 著者:坂口安吾
顔に押し当て顔を打ち砕いて死んだ。そのときは七十をすぎていたが、人前で平気で女と
戯れる悪どい男であった。この男の死に方には同感するが、私はハラキリは好きではない....
「潜航艇「鷹の城」」より 著者:小栗虫太郎
であった。 空は水平線の上に、幾筋かの土堤のような雲を並べ、そのあたりに、色が
戯れるかのごとく変化していった。彼女はしばらく黙祷を凝らしていたが、やがて、波間....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
戸につかまって昇り降りするが、その格子戸が因陀羅網に見えて来る。坊ちゃんは無心で
戯れる。あそびの境涯で自在に振舞っている。よしやが使に遣られる。よしやが誘う。衆....
「春昼後刻」より 著者:泉鏡花
小獅子は一層|活溌に、衝と浪を追う、颯と追われる。その光景、ひとえに人の児の
戯れるようには見えず、かつて孤児院の児が此処に来て、一種の監督の下に、遊んだのを....
「審判」より 著者:カフカフランツ
べてからいよいよ拘束されていない立場にある自分を感じたからである。彼はこの連中と
戯れるのだった。彼らが立ち去るときになったら、玄関まで追っかけてゆき、私は逮捕さ....