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「戴く〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

戴くの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
義血侠血」より 著者:泉鏡花
みて、 「思し召しはありがとうございますが、規定《きめ》の賃銭のほかに骨折り賃を戴く理由《わけ》がございません」 世話人は推し返されたる紙包みを持て扱いつつ、....
箕輪心中」より 著者:岡本綺堂
家来の眼の前にがらりと投げ出された。 三左衛門はあわててその鎧を引き寄せて押し戴くようにして自分の膝の上に抱きあげたが、勿体ないと情けないとが一つにもつれて、....
青木の出京」より 著者:菊池寛
でも戴いたように低頭せんばかりに、 「やあ、ありがとう」と、いいながらそれを押し戴くようにした。 八十円を懐にした青木は、線香花火のように燦《きらび》やかな贅....
大島が出来る話」より 著者:菊池寛
えて居たことを思うと、彼は更に云いようのない感謝に囚《とら》われた。 彼は押し戴くようにして、近藤夫人の最後の贈物を受け取った。 が、夫は決して最後の贈物で....
聖書の読方」より 著者:内村鑑三
後書二章十一、十二節)、キリストと共に棘の冕を冠しめられて信者は彼と共に義の冕を戴くの特権に与かるのである。 「我がために人汝等を詬※り又|迫害偽わりて様々の悪....
白妖」より 著者:大阪圭吉
るか、既に御承知の事とは思うが、これから数分後に起った異様な事件を正確に理解して戴くために、二、三簡単な説明をさして戴かねばならない。 いったいこの有料道路の....
薬草取」より 著者:泉鏡花
脇に掻上げ、 「そりゃまあ、修行者は修行者だが、まだ全然素人で、どうして御布施を戴くようなものじゃない。 読方だって、何だ、大概、大学朱熹章句で行くんだから、....
木の子説法」より 著者:泉鏡花
は、すっと出て、一尺ばかり舞台の端に、女の褄に片膝を乗掛けた。そうして、一度|押戴くがごとくにして、ハタと両手をついた。 「かなしいな。……あれから、今もひもじ....
湯女の魂」より 著者:泉鏡花
。お時儀も御挨拶も既に通り越しているんだからの、御遠慮を申さないで、早く寝かして戴くと可い、寒いと悪かろう。俺でさえぞくぞくする、病人はなおの事ッた、お客様もも....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
ありますもので、それは死ぬる人の思念が伝わる場合もあれば、又神様から特に知らせて戴く場合もあります。その他にもまだいろいろありましょう。母の臨終の際には、私は自....
ドーヴィル物語」より 著者:岡本かの子
金貨や紙幣を交ぜて女に渡した。女は指に白手袋の吸い付いて居るイベットの手を把り押戴く様に喜んだ。 ――有難うよ、イベット。じゃ、あたし仕度出来次第に早く此処を発....
おばけずきのいわれ少々と処女作」より 著者:泉鏡花
と思っていた処もありますから、何の報酬も望む所ではありませんが、一度原稿を見せて戴く訳には行きませんか、こう持ちかけた。実は内々これを縁に、新聞社の仕事でもない....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
経というものは私はまだ読んで見たことがなかったから「それではそのお経を私に見せて戴くことが出来まいか」というた。 するとその白巌窟の禅定者は直に立上って自分の....
エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
かりを思い暮らしたわたしです」と再び口を噤み、それから「人の王として、頭に王冠を戴くこと。それは、はたで見るものの目にあんなにはなばなしく映るほど、本人にとって....
四つの都」より 著者:織田作之助
にはこれ、約束の薬です。気休めに服んでみて下さい」 鶴三「こりゃ、どうも」(押し戴く) 庄平「あ、しまった」 鶴三「どうかしましたか」 庄平(デス・マスクを指し....