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戸板に
「戸板に〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
戸板にの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「窮死」より 著者:国木田独歩
き》はなぐられるだけなぐられ、その上交番に引きずって行かれた。 虫の息の親父は
戸板に乗せられて、親方と仲間の土方二人と、気抜けのしたような弁公とに送られて家《....
「真景累ヶ淵」より 著者:三遊亭円朝
ない哉《かな》惣次郎は血に染って倒れておりますから、百姓衆も気の毒に思い、死骸を
戸板に載せて引き取り、此の事を代官へ訴え、先《ま》ず検視も済み、仕方なく野辺送り....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
ね、おまけに今の先白旗金神で見てきた丑の時参りとそっくりなお武家の死骸をひとり、
戸板に乗せて運び込んできているんですよ」 不審に思いながら、ずかずかと近づいて....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
許さぬぞッ、者ども! おせっかい者のじゃまがはいってはならぬゆえ、三つのむくろ、
戸板にでものせて、早う番所へ連れていけ」 つきのけながら、配下に命じて、自分は....
「さようなら」より 著者:田中英光
な三ツ上の姉なぞ、その模様を見物にでかけたりしていたが、ぼくは裏の広場に敷かれた
戸板に腹這い、未だに現実の世界の鳴動するのを感じながらも、ひとりでまた博文館の長....
「青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
いうでもないが、彼はひどく衰弱して、ふたたび起きあがる気力もなかった。 蛇吉は
戸板にのせて送り帰されたときに、お年は声をあげて泣いた。村の者もおどろいて駈け付....
「武装せる市街」より 著者:黒島伝治
、脚が引きつるものゝようにひょくひょくした。そのひょうしに、かたい頭が、はげしく
戸板にぶつかった。ガタン/\という音がした。すっかり内地における出来事だ。 幹....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
ところに土深く納めさせた。深手に苦しむものは十人ばかりある。それも歩人に下知して
戸板に載せ介抱を与えた。こういう時になくてならないのは二人の従軍する医者の手だ。....
「新釈諸国噺」より 著者:太宰治
ぬ振りで山の庵に帰り、さっぱりした気持で念仏を称え、荒磯はあばら骨を三本折って、
戸板に乗せられて死んだようになって家へ帰り、師匠、あんまりだ、うらみます、とうわ....
「クリスマス・カロル」より 著者:ディケンズチャールズ
いのも構わず、直ぐさままたやり始めたものだ。ちょうどもう一人の提琴手が疲れ果てて
戸板に載せて家へ連れ帰られたので、自分はその提琴手をすっかり負かしてしまうか、さ....
「海神に祈る」より 著者:田中貢太郎
馬にお乗りになりますか」 「馬には乗れまい、今日は引返そう」 間もなく権兵衛は
戸板に載せられて引返して来たが、普請役場の己の室へおろされたところで体の痺れはす....
「人魚謎お岩殺し」より 著者:小栗虫太郎
凝っと動かないのだ。 伊右衛門思わず仰天して、 やや、覚えの杉戸は。 と、
戸板にかかった針先をとろうとし、つるりと滑った途端に、菰が摺り落ちて、皮も萎え血....
「血曼陀羅紙帳武士」より 著者:国枝史郎
睨んで突っ立っていた。全身汗を掻き、顔色蒼褪め、眼は血走っていた。お浦と典膳とを
戸板に載せ、五郎蔵の乾児二人に担がせ、ここまで走って来た頼母であった。見れば、林....
「馬妖記」より 著者:岡本綺堂
ので、弥次兵衛も少しくその処置に苦しんだが、どうにかその役割も決定して、怪我人を
戸板にのせて村の者四人にかつがせ、さらに四人の若侍がその前後を囲んで帰城すること....
「安死術」より 著者:小酒井不木
外に走り出るなり、私の顔を見て、村の男が叫びました。泥にまみれた学校服の義夫が、
戸板に載せられて、四五人の村人に運ばれて来たのです。 「……可哀相に、崖の下へ落....