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「戸籍謄本〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

戸籍謄本の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
捨児」より 著者:芥川竜之介
、死んでしまったとか云う事でした。それから横浜へ帰って後、早速母に知れないように戸籍謄本をとって見ると、なるほど袋物屋の言葉通り、田原町にいた時に生まれたのは、....
支倉事件」より 著者:甲賀三郎
詳細を庄司利喜太郎から聞かされ相約束しとります。其関係上前便封書にて、該家に係る戸籍謄本申請至急御下附を願う。先ずは取急ぎ葉書にて欠礼右御願い迄、以上――」 ....
舗道」より 著者:宮本百合子
体何を考え出したんだろう」 と怪訝《けげん》そうに呟いた。 「ね、女事務員一同に戸籍謄本を出させるんですってさ……」 「ほんと?」 しづ子が眉をもちあげて訊き....
骸骨の黒穂」より 著者:夢野久作
。 なおその騒ぎの最中に、帳場の掛硯の曳出しからボロボロになって出て来た藤六の戸籍謄本によって、藤六が元来四国の生れという事……それにつれて、藤六は、その近ま....
地獄の使者」より 著者:海野十三
たものではないと反発した。 そこで戸籍しらべとなったが、鶴彌の書斎から出て来た戸籍謄本を見ると、なるほど伊戸子という庶子の名があった。彼女は十歳であった。そこ....
地図にない街」より 著者:橋本五郎
以外に何の意味を持つものでないと悟《さと》った氏は、一枚の履歴書と学校の辞令と、戸籍謄本《こせきとうほん》とそれから空の蟇口《がまぐち》とをポケットに入れて、と....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
四月十八日 〔市ヶ谷刑務所の顕治宛 上落合より(封書 まき紙に毛筆書 表に「戸籍謄本壱通領置」とある)〕 きょうは又寒い雨がふります。庭の紅椿花がぬれて、....
安吾人生案内」より 著者:坂口安吾
リいったそうです。その後家へは、遺留品を調べに来いの、また、わたくしの荷物の中に戸籍謄本があったので、死んだものとして、死体を引取りに来いのといって来たそうです....
虹の橋」より 著者:久生十蘭
部屋の隅に千代のスーツ・ケースが置かれてある。あの夜、千代が浴衣を出したとき、戸籍謄本と履歴書らしいものが入っていたのを見た瞬間から、千代はどんな過去をもった....
縁談」より 著者:佐藤垢石
という訳ではないから、いよいよ話を進めたいと思う―― と書いてあった。ついに、戸籍謄本の交換となった。これにも両者に異存がない。こう話が進めば次は見合いの段だ....
酒徒漂泊」より 著者:佐藤垢石
えたからであった。 高知市で口入れ屋を尋ね、蕎麦屋の出前持ちを志願したけれど、戸籍謄本を持たないというので、ことわられた。そこで、土佐の国には諦めをつけ、神戸....
みやこ鳥」より 著者:佐藤垢石
。神戸へ引き返した。一週間ばかり桟橋に近い口入れ宿の二階に、ごろごろしていたが、戸籍謄本を要求されて、就職はものにならなかった。夜逃げの身では、故郷から戸籍謄本....
沼畔小話集」より 著者:犬田卯
は「証明」を手に入れてくると言って、急遽東京へ立ったのであった。そして二日して、戸籍謄本と××子爵の堂々たる紹介状とを持って、また村へやって来た。が、M教師とS....
ノンシャラン道中記」より 著者:久生十蘭
申しますと牛の学者なんです。世界中の有名な荒牛《トオロオ》を拝見して、そのですね戸籍謄本を作って和蘭《オランダ》の王様に献上しようと思っているんです。それについ....
鉄の処女」より 著者:大倉燁子
りとあらわれていた。 S夫人はいつの間に取ってあったものか、ハンド・バックから戸籍謄本を出して、彼に見せながら云った。 「では、この死亡となっているのが貴方な....