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戻り
「戻り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
戻りの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「報恩記」より 著者:芥川竜之介
思ったものでございますから、わたしは今日《きょう》伴《とも》もつれずに、早速一条
戻り橋へ、その曝し首を見に参りました。
戻り橋のほとりへ参りますと、もうその首....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
び》しく住んでいたのでございます。
十三
そこでお話は元へ
戻りますが、その間に若殿様は、思いもよらない出来事から、予《かね》て御心を寄せて....
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
三郎はもどかしそうに、「高《たか》が四文のはした銭《ぜに》ではございませんか。御
戻りになるがものはございますまい。」と云って、一刻も早く鼻の先の祥光院まで行って....
「星座」より 著者:有島武郎
物か何かを読み耽《ふけ》っているらしい奥様の前に手をついた。そして、
「ただいま
戻りました。おそくなりまして相すみません。父がよろしくと申されました」
という....
「美術曲芸しん粉細工」より 著者:阿部徳蔵
なんだから……。』と、ひとり悦に入つてゐたのであつた。 と、そこへ、学校からの
戻りと見える女生徒が三人通りかゝつた。そしてしん粉の花を眺めると、 『まあきれい....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
いつしか発見して後悔せねばならなくなる。後悔したお前はまたすごすごと私の所まで後
戻りするより外に道がないのだ。 だからお前は私の全支配の下にいなければならない....
「絵本の春」より 著者:泉鏡花
も貰えば、小母さんの易をトる七星を刺繍した黒い幕を張った部屋も知っている、その往
戻りから、フトこのかくれた小路をも覚えたのであった。 この魔のような小母さんが....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
じて片頬笑み、 「有難え、図星という処へ出て来たぜ。が、同じ事を、これ、(旦那衆
戻り馬乗らんせんか、)となぜ言わぬ。」 「へい、」と言ったが、車夫は変哲もない顔....
「海の使者」より 著者:泉鏡花
る水に漾うのであろう、と見たが、あらず、然も心あるもののごとく、橋に沿うて行きつ
戻りつする。さしたての潮が澄んでいるから差し覗くとよく分かった――幼児の拳ほどで....
「唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
升|壜を下げて、月はなけれど敷板の霜に寒い影を映しながら、あちらへ行き、こちらへ
戻り、で、小村さんが唇をちょっと曲げて、 「汽車が出ないと向うへは渡られませんよ....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
の日も、午飯すぎると、日向に古足袋の埃を立てて店を出たが、ひょこりと軒下へ、あと
戻り。 「忘れものですか。」 「うふふ、丸髷ども、よう出来たたい。」 「いやらし....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
を申して何やら深い思案に暮れるのでした。大方内心では私の事を今からでも鎌倉に連れ
戻りたかったのでございましたろう。気性の勝った母は、口に出しては別に何とも申しま....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
の重荷が充ちみちている。この地獄から脱出すべき唯一の途は、ただ踵をかえして正道に
戻り、正しき神の教に基きて、よき生活を営むことである。 無論死後の世界にも刑罰....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
、涼しさ元のごとくならず。されどこの清風明月の間にしばらくなりと居た者が活版所へ
戻りて半夜なりとて明かさるべきにあらねば、次第に更けて人の通りの少なくなるを心待....
「活人形」より 著者:泉鏡花
遠くよりまた近くより、透間もあらせず呼立てられ、得三は赤くなり、蒼くなり、行きつ
戻りつ、うろ、うろ、うろ。拍子に懸けて、「赤、赤、赤、赤。「何者だ。何奴だ。出合....