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「所与〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

所与の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
道徳の観念」より 著者:戸坂潤
ではない)は、道徳というものをもっと自由に理解しているのが、世間の事実だ。既成の所与の所謂道徳などに拘泥しないことこそ、或いはそういう拘泥を脱却するだけの見識を....
科学論」より 著者:戸坂潤
る)。 併し、労働手段も労働対象も、生産する個人にとっては、自然的及び歴史的な所与であり、労働手段のそれ以上の発達も労働対象のそれ以上の産出・発見も、この与え....
技術の哲学」より 著者:戸坂潤
は疑われている)又は知覚となって現われる(現象する)ことが、人間の経験にとっての所与であり材料だというのである。だが人間の経験は単にこうした一般的な構造を有って....
日本イデオロギー論」より 著者:戸坂潤
でもなくてはならない筈だ。従って自由主義が、発達した資本主義の社会的所産を現在の所与として仮定する限り、そうした所与を無視する他の各種の思想に較べれば、少くとも....
現代哲学講話」より 著者:戸坂潤
考えて見れば、化学的・地質学的・気象学的・天文学的・な諸観察――変更して、新しい所与を探り出すということである。 自然科学に於ける実験は、それがどれ程大規模な....
現代唯物論講話」より 著者:戸坂潤
を持っているのである。――処が、それにも拘らず、どのような複雑な論理もその材料・所与・の上に立って初めて根柢を得るわけで、そうした――まだ抽象的な――根柢をなす....
思想としての文学」より 著者:戸坂潤
作品とか科学上の業績とかから受ける直接な印象は、その受けた瞬間に於ては無論直接な所与なのだが、この直接の所与自身と雖も、実は吾々の過去の経験の一つの結果に外なら....
辞典」より 著者:戸坂潤
実的存在の夫々の或る一面のみを取り出して整合に齎《もたら》すものに過ぎず、経験的所与を絶対化するものであるから、形而上学相互の間には二律背反と解決不能な問題とが....
映画芸術と映画」より 著者:戸坂潤
=古典学とを区別する)。 芸術という文化の「ジャンル」は文化史的には最も直接な所与の現象を示すものだが、之を分析的に分解するためには必ずしも分解の要具とはなら....
科学的精神とは何か」より 著者:戸坂潤
不可欠のものだが、夫が非科学的引用に終る二つの危険がある、というのだ。というのは所与を引用された公式へ還元して了うこと、即ち又公式の無用な反覆ということと、神様....
学生と先哲」より 著者:倉田百三
人倫との究竟の理法と依拠とを求めずにはいられなかった。当時の学問と思想との文化的所与の下に、彼がそれを仏法に求めたのは当然であった。しかし仏法とは一体何であろう....
空間概念の分析」より 著者:戸坂潤
フッセルルは自ら云うように実在を除外したのでは全くない。寧ろ一切の個体的・具体的所与一般を除外したのである。」(W. Ehrlich, Kant und Hus....
名人地獄」より 著者:国枝史郎
はずれの大雪は、藪も畑もまっ白にして、今なおさんさんと降っていた。 無任所与力と音響学 季節はずれの大雪で、桜の咲くのはおくれたが、いよいよその花の咲....
純粋経済学要論」より 著者:手塚寿郎
究及び純粋経済学のシステムの研究をこの中に入れた。また限界生産力説すなわち問題の所与としてではなく未知数と考えられた製造係数の決定理論をも、この編の中に加えた。....
社大党はファッショ化したか?」より 著者:戸坂潤
化」と銘打たれるのだ。戦時的事変についても、この国家的な権力と共に発展しつつある所与の事実をば民衆が如何に利用すべきかを教えるのが、社大党の所謂積極的戦争参加の....