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所労
「所労〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
所労の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
出したように言った。「あの古《ふる》入道、このようなまどいに加わるは嫌いじゃで、
所労というて不参じゃよ」 「宇治の左大臣殿ももう戻られたとやら」と、その枕もとに....
「忠直卿行状記」より 著者:菊池寛
たと聞くと、忠直卿はすぐ彼らを呼び出した。 「お祖父様は何と仰せられた。定めし、
所労のお言葉をでも賜わったであろう」と、忠直卿は機嫌よく微笑をさえ含んできいた。....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
ます」 「なに? では、当下屋敷には御愛妾がいられたと申すか」 「はっ、少しく御
所労の気味でござりましたゆえ、もう久しゅう前から御滞在でござります」 「ほほうの....
「満韓ところどころ」より 著者:夏目漱石
刻《さっき》具合が悪いとかで家《うち》へ帰った後であった。こっちの都合もあるし、
所労《しょろう》の人に迷惑をかけるのも本意でないから、他日を期して税関を出た。す....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
の土女共が味変り致してよいためでおじゃるのか、どちらがどうやら存ぜぬことじゃが、
所労保養のお暇を願ったとやらにて、ぶらりとこの月初めに知行所へお帰り召さったのじ....
「庭の怪」より 著者:田中貢太郎
加茂の光長は瓦盃に残りすくなになった酒を嘗めるように飲んでいた。彼はこの二三日、何処となしに体が重くるしいので、
所労を云いたてにして、兵衛の府にも出仕せずに家にいた。未だ秋口の日中は暑くて、昼....
「殺された天一坊」より 著者:浜尾四郎
お褥《しとね》の上にもお乗りにならなかったようでございました。其の翌日はお上へは
所労と申し上げられて、とうとうお邸に引き籠っておいでになりました。そうしてお邸の....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
る思案を以て駒井を迎えるか、あらかじめ腹をきめておかねばなるまい」 「拙者は病気
所労と披露《ひろう》して当分は引籠《ひきこも》る」 「病気
所労もよかろうけれど、....
「東山時代における一縉紳の生活」より 著者:原勝郎
巻を書写せる際などは、その出来上らんとした日に、禁裏から召されたけれども、実隆は
所労を申し立てて不参し、もって書写の功を終えたのである。その他宗祇のために、ある....
「学生と先哲」より 著者:倉田百三
られ参らせ候て、難もなくこれまで着きて候事、おそれ入り候ひながら悦び存じ候。……
所労の身にて候へば、不足なる事も候はんずらん。さりながらも、日本国に、そこばくも....
「番町皿屋敷」より 著者:岡本綺堂
を懐かしそうに眺めた。「苦労でもあるかして、顔も見違えるように窶れました。但しは
所労か」 なまじいに優しくいわれるのが、今の播磨には辛かった。彼は破れた畳に手....
「瘠我慢の説」より 著者:榎本武揚
受いたし度、御許容可被下候也。 二月六日安芳 福沢先生 拙、此程より
所労平臥中、筆を採るに懶く、乱筆|蒙御海容度候。 榎本武揚氏の答書 ....
「中津留別の書」より 著者:福沢諭吉
。ただし国君官吏たる者も、自から労して自から食《くら》うの大義を失わずして、その
所労の力とその所得の給料と軽重いかんを考えざるべからず。これすなわち君臣の義とい....
「漱石氏と私」より 著者:高浜虚子
) 拝啓「猫」の大尾をかきました。京都から帰ったらすぐ来て読んで下さい。明日は
所労休みだから明日だと都合がいい。 十七日夏目金之助 高浜清様 ....
「法隆寺再建非再建論の回顧」より 著者:喜田貞吉
に建てられたる物と、掘立柱の物とが、ともに並び存在した実例は、正倉院文書造石山院
所労劇帳にも見えている。今回の新発見の如きも、或いは宮殿建築と寺院建築との推移上....