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所有
「所有〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
所有の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
うまん》であるとともにあくまでも不遜である。その彼が、結局自分も彼らと同じ能力の
所有者だったということを、そうしてさらに厭《いと》うべき遼東《りょうとう》の豕《....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
りと山を下って来た。それは部落の若者たちの中でも、最も精巧な勾玉や釧《くしろ》の
所有者として知られている、背《せい》の高い美貌《びぼう》の若者であった。彼はそこ....
「少年」より 著者:芥川竜之介
女のように、あるいは罪のない問答の前に娑婆苦を忘却した宣教師のように小さい幸福を
所有していた。大徳院《だいとくいん》の縁日《えんにち》に葡萄餅《ぶどうもち》を買....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
えない。
世間智
消火は放火ほど容易ではない。こう言う世間智の代表的
所有者は確かに「ベル・アミ」の主人公であろう。彼は恋人をつくる時にもちゃんともう....
「或る女」より 著者:有島武郎
の目を小痛《こいた》く射つけた。
「本邦にて最も重要なる位置にある某汽船会社の
所有船○○丸の事務長は、先ごろ米国航路に勤務中、かつて木部孤※に嫁《か》してほど....
「小さき者へ」より 著者:有島武郎
のに、その時の涙は拭くあとからあとから流れ落ちた。その熱い涙はお前たちだけの尊い
所有物だ。それは今は乾いてしまった。大空をわたる雲の一片となっているか、谷河の水....
「片信」より 著者:有島武郎
にならないばかりでなく、唯一の指南車でありうると誰がいいきることができるか。今は
所有者階級が倒れようとしつつある時代である。第四階級の人々は文化的にある程度まで....
「小作人への告別」より 著者:有島武郎
は母や弟妹に私の心持ちを打ち明けた上、その了解を得て、この土地全部を無償で諸君の
所有に移すことになったのです。
こう申し出たとて、誤解をしてもらいたくないのは....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
も見のがさずに、愛撫し理解しようとする、スケッチ帳で想像されるような鋭敏な神経の
所有者らしい姿はどこにあるのだろう。地をつぶしてさしこと乗っていた。筋肉質な君の....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
が知っているように知っているのではないかも知れない。然し私は知っている。この私の
所有を他のいかなるものもくらますことは出来ない。又他のいかなる威力も私からそれを....
「かんかん虫」より 著者:有島武郎
四時半頃でもあったろう、小蒸汽の汽笛が遠くで鳴るのを聞いた。間違なくセミオン会社
所有の小蒸汽の汽笛だ。「来たな」と思うと胸は穏かでない。船階子の上り口には労働者....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
ったものである。かるが故に人間を観れば、大体その背後のものが判る。下らない人格の
所有者に、立派な神霊の感応するようなことは絶対にない。世人断じて山師的宗教家の口....
「江口渙氏の事」より 著者:芥川竜之介
江口は決して所謂快男児ではない。もっと複雑な、もっと陰影に富んだ性格の
所有者だ。愛憎の動き方なぞも、一本気な所はあるが、その上にまだ殆病的な執拗さが潜....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
ファラデーが自分で作って実験を試みた電気機械は、その後サー・ジェームス・サウスの
所有になって、王立協会に寄附され、今日も保存されてある。 ファラデーはタタムの....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
美歌の本一冊、それから、こわれた調子笛が一つであった。学校の書物や道具類は、村の
所有物だったが、その他に、コットン・マザー老の「魔術の歴史」と、ニューイングラン....