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所用
「所用〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
所用の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「たね子の憂鬱」より 著者:芥川竜之介
「敷物。畳《たたみ》、絨毯《じゅうたん》、リノリウム、コオクカアペト……
「台
所用具。陶磁器類、硝子《ガラス》器類、金銀製器具……」
一冊の本に失望したたね....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
は困った。(昭和2・10「時事新報」) 三崎町の原 十一月の下旬の晴れた日に、
所用あって神田の三崎町まで出かけた。電車道に面した町はしばしば往来しているが、奥....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
四という男があった。家が甚だ貧しいので、兄夫婦と同居していた。ある冬の夜に、兄は
所用あって外出し、今夜は戻らないという。兄嫁は賢しい女であるので、夫の出たあとで....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
日のように攫われる。一度の、どか利得が大穴になって、丸髷だけでは店が危い。つい台
所用に女房が立ったあとへは、鋲の目が出て髯を揉むと、「高利貸が居るぜ。」とか云っ....
「「吶喊」原序」より 著者:井上紅梅
行って、長わずらいの父のために薬を買った。処方を出した医者はいとも名高き先生で、
所用の薬は奇妙キテレツのものであったから、家へ帰ると、またほかのことで急がしかっ....
「河童小僧」より 著者:岡本綺堂
流石に舌を巻いたと云う。即ち五月の初旬、所謂る降りみ降らずみ五月雨の晴間なき夕、
所用あって赤阪辺まで出向き、その帰途に葵阪へ差掛ると、生憎に雨は烈しくなった。 ....
「鐘ヶ淵」より 著者:岡本綺堂
るから鷹狩ではない。木母寺のすこし先に御前畑というものがあって、そこに将軍家の台
所用の野菜や西瓜、真桑瓜のたぐいを作っている。またその附近に広い芝生があって、桜....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
待にして西へ東へと行きかえるうち、巡行の巡査の見咎むるところとなり、「御身は何の
所用ありてこの橋上を徘徊さるるぞ」と問われたり。予もこの頃は巡査に訊問さるるは何....
「健康と仕事」より 著者:上村松園
昨年の五月のこと
所用のため上京して私は帝国ホテルにしばらく滞在した。上京する日まで私は不眠不休で....
「木曽の怪物」より 著者:岡本綺堂
これは亡父の物語。頃は去る明治二十三年の春三月、父は拠ろなき
所用あって信州軽井沢へ赴いて、凡そ半月ばかりも此の駅に逗留していた。東京では新暦....
「亡びゆく花」より 著者:岡本綺堂
ち寺も名のみとなった。 からたちの垣を作れとはいわなかった。 わたしは昨日、
所用あって目黒の奥まで出かけると、そこにからたちの運命もどうなるかと、立ちどまっ....
「叔父と甥と」より 著者:岡本綺堂
く。 足あとを何処にたづねん草紅葉 逝くものを堰き止め兼ねつ秋の水 二十五日、
所用ありて上野までゆく。落葉をふみて公園をめぐるに、美術学校の生徒らしきが画架な....
「古い記憶を辿って」より 著者:上村松園
感覚に依っていたものでありました。 おなくなりになる少し前の事でした。電車で、
所用があって外出しましたとき、ふとみると、私の座席の向こう側に春挙さんが偶然にも....
「西航日録」より 著者:井上円了
日、東京より飛報あり。曰く、十二月十三日、官報をもって文部省より、本館倫理科講師
所用の教科書に関し、教授上不注意のかどありとて、教員認可取り消しの厳命あり云云。....
「宝永噴火」より 著者:岡本かの子
ょうど、数学に於てある計算はわざと虚構な数を設け、置かれた数に加減乗除してみて、
所用を達した上は、再びその数を退けるという方法に似たやり方であろう。その方法とし....