所番地[語句情報] » 所番地

「所番地〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

所番地の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
のんきな患者」より 著者:梶井基次郎
り祈祷をしたりするからぜひやって来てくれということを、帯の間から名刺とも言えない所番地をゴム版で刷ったみすぼらしい紙片を取り出しながら、吉田にすすめはじめるのだ....
深夜の市長」より 著者:海野十三
たものを包んで、僕の手に渡した。 「これを速水輪太郎氏に届けるんですね。速水氏の所番地は?」 「なアに所番地なんか要るものか。……銀座のM百貨店の裏通りにブレー....
支倉事件」より 著者:甲賀三郎
取紙に気がついた。よく見ると、松下一郎様と云う文字が微かに左文字に見える。肩書の所番地も飛び/\に読めそうだ。 「しめたぞ」 岸本は嬉しそうに呟いた。 「初め....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
で、青麟――青麟と中洲の関係は、はじめ、ただ、貸本屋から本を借りるには、帳面へ、所番地を控える常規だ。きっと、馴染か、その時が初めかは分らないが、店頭で見たお嬢....
探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
て、向田大尉から支店長にあてた郵便が到着した。状袋には単に向田とばかりで、その住所番地は書いてなかったが、消印が東京であることだけは確かに判った。佐山君はその郵....
町内の二天才」より 著者:坂口安吾
していたそうだからね」 「呆れたガキだ」 「ここできくと、わかるそうだ」 その所番地を教えてくれた。天元堂がそこへ行ってみると、そこはバタ屋集団で、団長さんは....
現代忍術伝」より 著者:坂口安吾
のである。 「じゃア、当分は芝浦の敷地へ材木をつんでもらうか。才蔵。芝浦の敷地の所番地と地図を書いておけ」 「ヘエ」 才蔵は手帳をさいて地図をかいた。。 「よ....
投手殺人事件」より 著者:坂口安吾
のポケットに、上野光子の名刺があり、東京の住所は印刷してあるが、京都のアパートの所番地が鉛筆で書きこんである。光子自身の手らしく、女手である。 一、血にぬれた....
街はふるさと」より 著者:坂口安吾
戻ってきた。 「ヘエ。これなんです」 なんでもないように渡された紙片に、二ツの所番地と、野中幸吉という姓名が記されていた。 「この野中がエンゼルの本名なんです....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
れても月に十円ならカンカン虫よりも悪くはない。 そこで字の読める男から募集者の所番地をきいて、本牧のチャブ屋街の中にあるTエンドK兄弟商会別館というのを訪ねて....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
がですよ。彼が横浜で捕えられたとき、何だかワケの分らない書ツケ類の中に時信全作の所番地と姓名を書いたものがあったのです。それについて一色の言葉はこうでした。人の....
光は影を」より 著者:岸田国士
その一通は、たしかに彼宛のもので、――兄上様、と、封筒の中央に書き、その横に、所番地と名前がしるしてあつた。 彼は、その封書を受取るとき、なに気なくほかの二....
」より 著者:岡本綺堂
少し困る。父は再びかの米屋へ行って、安達の奥さんという人が重ねて来たらば、その住所番地を聞きただして置いてくれと頼んだ。 それでも父はまだ気になってならなかっ....
火薬庫」より 著者:岡本綺堂
て、向田大尉から支店長にあてた郵便が到着した。状袋には単に向田とばかりで、その住所番地は書いてなかったが、消印が東京であることだけは確かに判った。佐山君はその郵....
卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
ましたがね。」 「いいえね、……この春ごろでしたよ、ふいと店へ見えてね、兄さんの所番地はッて聞いたんですの。何でも十何年ぶりとかで、この土地へ帰って来ましたって....