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「所縁〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

所縁の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
運命論者」より 著者:国木田独歩
審に思って老僧に遇《あ》い、右の事を訊《たず》ねました。尤《もっと》も唯《た》だ所縁《ゆかり》のものとのみ、僕の身の上は打明けないのです。 すると老僧は馬場金....
惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
は働くことが出来ない。外界は常に智的生活とは対立の関係にあって、しかも智的生活の所縁になっている。かくしてその生活は自由であることが出来ない。のみならず智的生活....
姉川合戦」より 著者:菊池寛
されしものながら、先年久政の勘当をうけて小谷を追出され、濃州に立越え稲葉伊予守に所縁あるを以て暫時かくまはれて居たりしかば、信長の軍立を能々見知りてありけるが、....
般若心経講義」より 著者:高神覚昇
は認識の主体で、心のことであり、「根」はその識の所依、よりどころ、「境」はつまり所縁、すなわち心によって認識せられる対象であるわけです。しかも私どもの認識を離れ....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
辞した時は、最早十二時近かった。それでも終電車に乗るを得て、婦人は三宅坂で下りて所縁の家へ、余は青山で下りて兄の家に往った。 寝入り端と見えて、門を敲けど呼べ....
灯明之巻」より 著者:泉鏡花
「さあ……」 と、妙な返事をする。 「南無、南無、何かね、お前様、このお墓に所縁の方でがんすかなす。」 胡桃の根附を、紺小倉のくたびれた帯へ挟んで、踞んで....
霊訓」より 著者:浅野和三郎
を上昇することのできる人達である。われ等には霊的教育がすべてである。従って進歩の所縁となるべき関係以外は、全然その存在を認められない。かの徒らに地上生活を陰惨な....
樋口一葉」より 著者:長谷川時雨
忠実に書かなければならないと思う。ともかくも、私はまずこの人の生れた月日と、その所縁のつづきあいとを書落さぬうちにしるしておこう。 二 一葉女史....
北村透谷の短き一生」より 著者:島崎藤村
事があるように記憶している。国府津の寺は、北村君の先祖の骨を葬ってある、そういう所縁のある寺で、彼処では又北村君の外の時代で見られない、静かな、半ば楽しい、半ば....
我が円朝研究」より 著者:正岡容
それは誠に心懸の尊い事じゃといって貸したのが、すなわちこのお経じゃ」と陀羅尼経の所縁を説き明かしていることもへんにありがたそうな実感がでていて結構である。この種....
私本太平記」より 著者:吉川英治
が乙子(末子)であったな」 「はい」 「日野殿のお家と其許の別当家とは、浅からぬ所縁のあいだではなかったか」 「母は日野家から輿入れされたお方にちがいありません....
私本太平記」より 著者:吉川英治
の。兵糧はおすましか。どうも心得ぬふしがみえるぞ」 「心得ぬとは」 「宗像にいた所縁の者が、逃げて来たが、それの話によれば、尊氏の一勢は、宗像ではつかのま休息し....
随筆 宮本武蔵」より 著者:吉川英治
来たのは当然であるが、なお、姫路の本多家、小笠原家、榊原家、有馬家、池田家その他所縁の大名の蔵からは、なおやがて未見の物が、いくつかは発見されて来る日があるので....
フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
長蜂は足を垂らせり 玉赤き蝋マツチする草のなかすでに蛍の臭気むせべり こうした所縁の深い新作が増補として、「第二桐の花」としてでも加えられねばならない恋々たる....