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扈
「扈〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
扈の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「大導寺信輔の半生」より 著者:芥川竜之介
は又何度も木剣を提げ、干し菜をぶら下げた裏庭に「水滸伝」中の人物と、――一丈青|
扈三娘《こさんじょう》や花和尚|魯智深《ろちしん》と格闘した。この情熱は三十年間....
「初めて見たる小樽」より 著者:石川啄木
して、新らしき未来を忘るるの時、保守と執着と老人とが夜の梟《ふくろう》のごとく跋
扈《ばっこ》して、いっさいの生命がその新らしき希望と活動とを抑制せらるる時である....
「十八時の音楽浴」より 著者:海野十三
これは――」 「まあ、閣下が――」 女大臣の到着かと思ったのに、事実は女大臣は
扈従《こじゅう》のかたちで、そこには思いがけなくもミルキ閣下が傲然と立っていた。....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
めに玩具の製造などはほとんど中止されてしまって、どこのおもちゃ屋にも日本製品が跋
扈しているというありさまで、うっかりすると外国からわざわざ日本製を買い込んで来る....
「青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
させるのも、彼が一つの興味となった。 しかしこの時代でも、こうした悪鬼の跳梁跋
扈をいつまでも見逃がしてはおかなかった。殊に天下もようやく一統して、徳川幕府はも....
「木の子説法」より 著者:泉鏡花
のだそうである。 中にも、こども服のノーテイ少女、モダン仕立ノーテイ少年の、跋
扈跳梁は夥多しい。…… おなじ少年が、しばらくの間に、一度は膝を跨ぎ、一度は脇....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
、鎌を買う資本がない、従ってかの女、いや、あの野郎の狼藉にまかせてあるが、跳梁跋
扈の凄じさは、時々切って棄てないと、木戸を攀じ、縁側へ這いかかる。……こんな荒地....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
りてからの進歩である。忍耐が大切な所以である。 問『心の迷、実証の困難、僻見の跋
扈等をいかにすべきか? 果してこれ等の故障に打勝ち得るか?』 最後の必勝――人....
「鐘ヶ淵」より 著者:岡本綺堂
から常に海上を泳いでいたので、すこぶる水練に達している。江戸へ出て来てから自分に
扈従する御徒士の侍どもを見るに、どうもあまり水練の心得はないらしい。水練は武術の....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
なり、亡命者や、王党側の暴れものや、そのほか、あらゆる国境の荒くれ男どもが跳梁跋
扈したのである。しかし、それからもういく年か過ぎ、この時分には当時の物語をする人....
「父の怪談」より 著者:岡本綺堂
の不思議は依然としてやまない。どこから現われて来るのか、蛙の群れが屋敷じゅうに跋
扈していることはちっとも以前とかわらないので、邸内一同もほとほと持て余していると....
「小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
いる高武蔵守師直の娘で、小坂部というかれが名は雲の上までもきこえていた。武家が跋
扈の時代であるから、陪臣の師直の娘も内外の者に姫と呼ばれて、かれは栄耀のあるたけ....
「源之助の一生」より 著者:岡本綺堂
分の相手方であった団菊左の諸名優も相次いで凋落し、後輩の若い俳優らが時を得顔に跋
扈しているのを見ると、彼はその仲間入りをするのを快く思わなかったかも知れない。寧....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
は無粋な執深の嫌われ者となっている。維新の革命で江戸の洗練された文化は田舎侍の跋
扈するままに荒され、江戸特有の遊里情調もまた根底から破壊されて殺風景なただの人肉....
「明治の文学の開拓者」より 著者:内田魯庵
なるは誰が何といっても認めなければならぬ。 近来はアイコノクラストが到る処に跋
扈しておるから、先輩たる坪内君に対して公然明言するものはあるまいが、内々では坪内....