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手ざわり
「手ざわり〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
手ざわりの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「大川の水」より 著者:芥川竜之介
ろうや》のように、ぶつぶつ口小言を言う水の色が、いかにも落ついた、人なつかしい、
手ざわりのいい感じを持っている。そうして、同じく市《まち》の中を流れるにしても、....
「河童」より 著者:芥川竜之介
かた》さを加えるようです。現に年をとったバッグの皿は若いチャックの皿などとは全然
手ざわりも違うのです。しかし一番不思議なのは河童の皮膚の色のことでしょう。河童は....
「或る女」より 著者:有島武郎
はこんな心持ちになって、先ほどの手紙の包みをかかえて立ち上がりながら、うつむいて
手ざわりのいい絹物をなで回している叔母を見おろした。
「それじゃわたしまだほかに....
「或る女」より 著者:有島武郎
終わると、飽く事もなくその縁《ふち》から底にかけての円味《まるみ》を持った微妙な
手ざわりを愛《め》で慈《いつく》しんだ。
場所がらとてそこここからこの界隈《か....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
ながら、滞りがちな筆をしかりつけしかりつけ運ばそうとしていた。 寒い。原稿紙の
手ざわりは氷のようだった。 陽はずんずん暮れて行くのだった。灰色からねずみ色に....
「ルネ・クレール私見」より 著者:伊丹万作
あのラストのあたりはつまらぬ落語の下げのようで私の最も好まぬ作品である。作全体の
手ざわりもガサツで、絶えずかんなくずの散らばつているオープン・セットを見ている感....
「透明人間」より 著者:ウェルズハーバート・ジョージ
しながら手さぐりであたりをなでまわすと、なるほど、たくましい男の体が、はっきりと
手ざわりでさぐれた。 「こいつはおもしれえや、だんなはほんとにいたんですね。だが....
「海底都市」より 著者:海野十三
力を利用したのか、すごい力だ。しかし消息子の先についている触手《しょくしゅ》は、
手ざわりのよいやわらかいものであったから、こっちのからだは痛みはしなかったが、そ....
「怪塔王」より 著者:海野十三
、ぽかりとあたったものは何であったでしょうか。 それはぐにゃりと、きみのわるい
手ざわりのものでした。取上げてみて、帆村はびっくり。 「やっ、これは!」 と、....
「火星探険」より 著者:海野十三
かったが、思い切って自分の手をさしのばすと、ぐっと相手の手をつかんでふった。その
手ざわりは、かなり冷めたかったが、それでも体温のあることが分った。 「地球のこと....
「火星兵団」より 著者:海野十三
しっかりとおさえつけた。その相手というのは、何者であったろうか。とにかくそれは、
手ざわりだけでは、苔がはえた土管のような気がした。生き物のようではなかった。
....
「透明猫」より 著者:海野十三
た。そしてもう一度、その二つの玉の方へ両手をもっていった。 「あ、――」ふしぎな
手ざわりを、青二は、感じた。毛の密生した動物の頭と思われるものに、ふれたからであ....
「ふしぎ国探検」より 著者:海野十三
、遂に実を結んだ。見よ、ぼくの掌《てのひら》の上にのっている一本の紐《ひも》は、
手ざわりだけがあって形はなかった。ダイナモの力を借りて、ぼくはその紐を全然見えな....
「四次元漂流」より 著者:海野十三
きにぶつかって気が遠くなりかけた。というわけは、雪子の手首がそのすぐ上のところで
手ざわりがなくなっているのだった。 そのくせ、眼で見ると、雪子の手は、手首から....
「人造人間殺害事件」より 著者:海野十三
上を握りしめた。氷のようにつめたい痩せた手首だった。しかし象牙のようになめらかな
手ざわりだった。その
手ざわりをなつかしんでいると見せて、その部分に施《ほどこ》さ....