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「手っ取り早い〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

手っ取り早いの前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
坑夫」より 著者:夏目漱石
くるように受け取って、ありがとうとも何とも云わず、すぐその一本を食い始めた。この手っ取り早い行動を熟視した自分は、なるほど山から一人で下りてくるだけあって自分と....
暗黒公使」より 著者:夢野久作
類の暗号で、何も聖書に限った事はない。小説にでも教科書にでも何にでも使える極めて手っ取り早いものなのだ。すなわち赤い線を引いた各行の頭の文字だけを拾い読みすれば....
ウィリアム・ウィルスン」より 著者:佐々木直次郎
金をまき上げた人間の本性をご存じない。だから、私は、そのきわめて必要な知識を得る手っ取り早い確かな方法を一つ、諸君にお授けしましょう。どうか、その男の左の袖のカ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
》めて上げよう」 「済みません」 「どうせ碌《ろく》なことはできやしないけれど、手っ取り早いのでは若い時から自慢なのよ」 鏡台の前でお角は、お君の真黒な髪を梳....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
ある名前を売り込んで置きたいということ。 その題目を――道々考えた清次は、最も手っ取り早いことは自分に与えられた渾名《あだな》の宣伝に越したものはない、「のろ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
ように手っ取り早く、首根っ子をおっぴねくってしまうやつもある。道庵なんぞは、その手っ取り早いやつで、すんでのことにやらかされようとしたのを助かって、今日この通り....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
景として、筑波によることも決して拙策ではないと補修するものもある。 それよりも手っ取り早いのは、もう少し手強く江戸の内外を荒して、全くの混乱状態に陥れるに越し....
宝島」より 著者:佐々木直次郎
。私はこの航海を好みません。船員を好みません。それから副船長を好みません。これが手っ取り早いところです。」 「多分、君はこの船も好まんのだろうね?」と大地主さん....
アド・バルーン」より 著者:織田作之助
で、八月でお母んのお腹飛びだすぐらいやさかい、気の永い方やない。つまり言うたら、手っ取り早いとこ乳にありついたいうわけやが、運の悪いことは続くもんで、その百姓家....
名人地獄」より 著者:国枝史郎
でございますな」 「大坂の役人めえらいことをしたよ」 「どうやら万事大坂の方が、手っ取り早いようでございますな」 「莫迦をいえ、そんなことはない」 家斉はここ....
夜光虫」より 著者:織田作之助
自首して留置されれば、雪子に近づけるわけだ。と、思ったのだ。 「手間がはぶけて、手っ取り早いわい」 そう呟いたが、しかしさすがに豹吉はふと寂しそうだった。 「....
昆布とろ」より 著者:北大路魯山人
だから東京好みは俗になりやすいのである。例えば、くどい味、油っ濃い味、粗野な味、手っ取り早い味、落着かないせかせかした味、甘ったるい味というところに嗜好が動く。....