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手つき
「手つき〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
手つきの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「鼻」より 著者:芥川竜之介
知れぬ。
内供は、仏前に香花《こうげ》を供《そな》えるような恭《うやうや》しい
手つきで、鼻を抑えながら、こう呟いた。
翌朝、内供がいつものように早く眼をさま....
「ひょっとこ」より 著者:芥川竜之介
勿論、出たらめである。ただ、いい加減に、お神楽堂の上の莫迦のような身ぶりだとか、
手つきだとかを、繰返しているのにすぎない。それも酒で体が利かないと見えて、時々は....
「路上」より 著者:芥川竜之介
。――じゃ失敬しよう。わが親愛なる安田俊助《やすだしゅんすけ》。」
大井は妙な
手つきをして、俊助の肩を叩いたと思うと、その手に海老茶色の垂幕を挙げて、よろよろ....
「出帆」より 著者:芥川竜之介
て、何か歌をうたいだした。やはり浴衣がけの背の高い男が、バトンを持っているような
手つきで、拍子《ひょうし》をとっているのが見える。ジョオンズは、歌の一節がきれる....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
らないんだ。」と、声を震わせながら怨じ立てると、泰さんは「まあ。」と抑えるような
手つきをして、「そりゃ重々もっともだよ。もっともだと云う事は僕もよく承知している....
「或る女」より 著者:有島武郎
低さを見せた。そうして立ったままでしばらく考えていたが、踊りで仕込み抜いたような
手つきではたと膝《ひざ》の上をたたいて、
「ようございます。わたし一つ倉地さんを....
「高野聖」より 著者:泉鏡花
》の蔕《へた》ほどな異形《いぎょう》な者を片手でいじくりながら幽霊《ゆうれい》の
手つきで、片手を宙にぶらり。
足は忘れたか投出した、腰がなくば暖簾《のれん》を....
「国貞えがく」より 著者:泉鏡花
固《げんこ》の矢蔵《やぞう》、片手をぬい、と出し、人の顋《あご》をしゃくうような
手つきで、銭を強請《ねだ》る、爪の黒い掌《てのひら》へ持っていただけの小遣《こづ....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
母様でございます。」 めの字が鯛をおろす形は、いつ見てもしみじみ可い、と評判の
手つきに見惚れながら、お源が引取って口を入れる。 えらを一突き、ぐいと放して、....
「親子」より 著者:有島武郎
って出たが、監督が急がしく靴をはこうとしているのを見ると、矢部は押しかえすような
手つきをして、 「早田君、君が送ってくれては困る。荷物は誰かに運ばせてください。....
「聖書」より 著者:生田春月
ぱり遠慮していたその葉巻だ。女中さんは妙にくすりと云ったような微笑をうかべて僕の
手つきを見て、それから若旦那の方を見て、 「あの、御用でございますか?」 「あの....
「海異記」より 著者:泉鏡花
、身を斜め、捩り切りそうに袖を合わせて、女房は背向になンぬ。 奴は出る杭を打つ
手つき、ポンポンと天窓をたたいて、 「しまった! 姉さん、何も秘すというわけじゃ....
「貝の穴に河童の居る事」より 著者:泉鏡花
、水田の際を、おっかな吃驚、といった形で、漁夫らが屈腰に引返した。手ぶらで、その
手つきは、大石投魚を取返しそうな構えでない。鰌が居たら押えたそうに見える。丸太ぐ....
「菎蒻本」より 著者:泉鏡花
但し進藤とは違う。陰気でない。縁日とさえあればどこへでも押掛けて、鏝塗の変な
手つきで、来た来たと踊りながら、 「蝋燭をくんねえか。」 怪むべし、その友達が....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
、立ごかしだのは幾らもあるんだけれど、狂人ごかしは私あはじめてなんで、躍るような
手つきで引上げて参りましたがね、ええ、お羽織はお返し申します。」 愛吉は胸紐を....