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手に合わない
「手に合わない〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
手に合わないの前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「非凡なる凡人」より 著者:国木田独歩
はおおいなることをしている。彼の弟が二人あって、二人とも彼の兄、逃亡した兄に似て
手に合わない突飛物《とっぴもの》、一人を五郎といい、一人を荒雄《あらお》という、....
「行人」より 著者:夏目漱石
でどこかへ飛んで行くに相違ない。――自分はこう観察した。
嫂《あによめ》が兄の
手に合わないのも全くここに根ざしているのだと自分はこの時ようやく勘づいた。また嫂....
「吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
地玄黄《てんちげんこう》を三寸|裏《り》に収めるほどの霊物だけあって、到底吾輩の
手に合わない、尻尾を環《めぐ》る事|七度《ななた》び半にして草臥《くたび》れたか....
「出家とその弟子」より 著者:倉田百三
てこっちが優しく出ようものなら、ひどい目にあわせるのだからね。全くこの辺の百姓は
手に合わないよ。(着物を着換え、炉のそばに寄る) お兼 それでどういう話になった....
「超人鬚野博士」より 著者:夢野久作
ッ」というと間一髪の同時に身構えるという、講道館五段以上の達人だから容易な事では
手に合わない。もっとも蝮を手掴みにする商売人も居るんだから練習すると相当に掴める....
「近世快人伝」より 著者:夢野久作
ても人間である。時と場合によっては平凡人以下の血もあり涙もあるばかりでない。彼の
手に合わない人物も多少は出現して来るのだから面白い。 頭山満曰く、 「杉山みた....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
限ったことはない、異形《いぎょう》の船が通ると見れば、どこの藩でも注意していて、
手に合わないと見れば、伝馬で駅次に報告するからあぶない。よって我々はこの船を、そ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
また湧き上って来やがった。 いやだなあ―― 思うまいとして抑えると、意地悪く
手に合わないように噴《ふ》き出して来る。 「いやだなあ――」 拝田村の村と、村....
「ワンダ・ブック――少年・少女のために――」より 著者:ホーソーンナサニエル
女は一二度、その結び目をもと通りにしようと、やってみましたが、すぐにそれは彼女の
手に合わないということが分りました。それがあんまり、だしぬけにほどけてしまったの....
「海水浴」より 著者:寺田寅彦
行ったのだが、いよいよ海水浴をさせようとするとひどく怖がって泣き叫んでどうしても
手に合わないので、仕方なく宿屋で海水を沸かした風呂を立ててもらってそれで毎日何度....
「言葉の不思議」より 著者:寺田寅彦
の意味では、「それはそうととにかく」の「兎角」に通じなくない。兎の角ではどうにも
手に合わない。 ドイツの noch(=nun auch) が日本語の naho....
「金狼」より 著者:久生十蘭
いてはいずれゆっくり話すが、僕はちょっと手をつけた。だがね、やはり探偵小説は僕の
手に合わない。結局得るところはなにもなかった。それで、僕はこれからすぐ……十時二....
「粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)」より 著者:三遊亭円朝
帰って来て、小僧の云うには、お屠蘇を戴き過して動けないように酔って仕舞い、常吉の
手に合わないから、仕方なしに重三郎を佐賀町河岸へ置いたなりに宅へ知せに来たと云う....