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手に手に
「手に手に〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
手に手にの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
白くほこりを巻いて、まっしぐらに衝《つ》いて出た。続いてそのあとから十人十五人、
手に手に打ち物を取った侍が、先を争って屋敷の外へ、ひしめきながらあふれて来る。味....
「義血侠血」より 著者:泉鏡花
おのこ》、いずれも手拭《てぬぐ》いに面《おもて》を覆《つつ》みたるが五人ばかり、
手に手に研《と》ぎ澄ましたる出刃庖丁《でばぼうちょう》を提《ひさ》げて、白糸を追....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
店の庭の松葉牡丹に、ちらちら一行の影がさした。聯る車は、薄日なれば母衣を払って、
手に手にさしかざしたいろいろの日傘に、あたかも五彩の絹を中空に吹き靡かしたごとく....
「海底都市」より 著者:海野十三
う》とはその頂点に達した。ついに彼らは鬨《とき》の声をあげて、僕の方へ殺到した。
手に手に異様な凶器《きょうき》を持ち、目玉をむき出し歯をむき出して、怒れる野獣群....
「かんかん虫」より 著者:有島武郎
のかと宙を飛んで、 ワハ………… と笑って居る、其の群に近づいて見ると、一同は
手に手に重も相な獲物をぶらさげて居た。而して瞬く暇にかんかん虫は総て其の場に馳せ....
「天守物語」より 著者:泉鏡花
花、萩、葛、撫子。各名にそぐえる姿、鼓の緒の欄干に、あるいは立ち、あるいは坐て、
手に手に五色の絹糸を巻きたる糸枠に、金色銀色の細き棹を通し、糸を松杉の高き梢を潜....
「海神別荘」より 著者:泉鏡花
士、美女の白竜馬をひしひしと囲んで両側二列を造る。およそ十人。皆|崑崙奴の形相。
手に手に、すくすくと槍を立つ。穂先白く晃々として、氷柱倒に黒髪を縫う。あるものは....
「紅玉」より 著者:泉鏡花
烏は、足も地に着かざるまで跳梁す。 彼等の踊狂う時、小児等は唄を留む。 一同 (
手に手に石を二ツ取り、カチカチと打鳴らして)魔が来た、でんでん。影がさいた、もん....
「照葉狂言」より 著者:泉鏡花
女ども、楽屋口より出で来りて、はらりと舞台に立ちならべる、大方あかり消したれば、
手に手に白と赤との小提灯、「て」「り」「は」と書けるを提げたり。 舞台なりし装....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
、ただ当時の男子にとりて何よりの娯楽は猪狩り兎狩り等の遊びでございました。何れも
手に手に弓矢を携え、馬に跨って、大へんな騒ぎで出掛けたものでございます。父は武人....
「旅なかま」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
をさけばずにはいられなかったのです。十二人のきれいな少女がおそろいの白絹の服で、
手に手に金のチューリップをささげてもち、まっ黒な馬にのって、両わきにしたがいまし....
「京の夏景色」より 著者:上村松園
と、女の子よりはちょっと大きめの提灯の、これは白いのに同じように定紋つけたのを
手に手に持ちながら、 ※よいさっさ、よいさっさ 江戸から京まではえらいね そ....
「卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
がて公園の時雨となったのであった―― ところで……紅き、青き、また黄なる魚貝を
手に手に、海豚が三頭、渋柿をぶら提げたような恰好で、傘の辻から紅屋の店へ入ったが....
「透明人間」より 著者:ウェルズハーバート・ジョージ
砂利の山があり、シャベルを持った工夫がはたらいていた。 「透明人間だ、にがすな」
手に手に棒をにぎりしめた町の人が、わっと飛びだしてきて、博士のゆくての道をふさい....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
ら人がわんさと押しかけて皆餞別の贈り物をしました。その多くは貧民や苦力どもで、皆
手に手に乾鶏等を贈ってその行を惜しんだのです。あの時の有様は今でもありありとこの....