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手ぬかり
「手ぬかり〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
手ぬかりの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「三つの窓」より 著者:芥川竜之介
た。しかももう水平線には敵の艦隊の挙げる煙も幾すじかかすかにたなびいていた。この
手ぬかりを見た水兵たちの一人は砲身の上へ跨るが早いか、身軽に砲口まで腹這って行き....
「雪の女王」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
に、じぶんのぼうしにかいたばらの花を、けすことを、ついわすれていたのでした。まあ
手ぬかりということは、たれにでもあるものです。 「あら、ここのお庭には、ばらがな....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
か。この飛行島の秘密は、いやでも洩れてしまいます。この工事は、はじめからこの点に
手ぬかりがあったようです。すべて英人と印度人だけではじめるべきでした」 「なにを....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
前から分っていたことだ。それは仕方がないとして、何か手を打つべきだったと思うが、
手ぬかりはなかったであろうか。 三月四日 ◯朝警報鳴る。七時半だ。さては艦載機....
「火星探険」より 著者:海野十三
をかたくして、その場に立ちすくんだ。 やがてマートンが叫んだ。 「ああ、大きな
手ぬかりだった。この人たちは危険なR瓦斯を吸ってしまったのだ。そしてこの通り苦し....
「火薬船」より 著者:海野十三
しまおう) 船長ノルマンは、自分たちに都合のよいことばかりかんがえ、そして万事
手ぬかりのないように、先の段取を、心のうちに決めたのであった。そこで彼は、モロ殺....
「太平洋魔城」より 著者:海野十三
、無電装置が、ピストルの弾で、こわされているのに気がつかないのか。そんなことに、
手ぬかりのあるケレンコ様か」 「え――」 艇長がふりかえってみた。はたして無電....
「爆薬の花籠」より 著者:海野十三
」 と、これはニーナの弁明である。 「ふん、まあ、これはいいとして、例の方は、
手ぬかりないだろうな」 「ええ、準備は、もうすっかりついています。今回同時爆発を....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
もしまい、嚇しに書いてよこしたのだろう位に思って、四、五日はそのままに置いたのが
手ぬかりでした。お葉が左の小指の疵はその時に切ったものとみえます。そこで、四、五....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
も其れを取り戻す工夫をしなければならないのに、うかうか見過ごしてしまうとは余りの
手ぬかりである。寸善尺魔《すんぜんしゃくま》の譬《たと》えで、万一きのうのうちに....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
が、いつの世でも、欺されるというのは皆こんなものです。 しかし欺した方にも少し
手ぬかりがある。お節が鍋久へ入り込んで、まず当分はおとなしくしていれば好かったん....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
蔵のような奴の隠れ家にはお誂え向きで、そこに早く気がつかなかったのは半七が重々の
手ぬかり、まことに申し訳がありません。 清吉の組にそれらしい奴のいることを調べ....
「黒部川を遡る 」より 著者:木暮理太郎
物のあることを考に入れて、相当に準備することを怠ったものとすれば、案内者としては
手ぬかりであったことを免かれないであろう。邪推すれば或は助七の黒部に関する既知の....
「外務大臣の死」より 著者:小酒井不木
のですか?」とI総監は訊ねた。 「そうです。いわばこの事件には、たった一つ大きな
手ぬかりがあります」といって、松島氏はにこりと笑い、更に言葉を続けた。「それに、....
「人工心臓」より 著者:小酒井不木
、気体の形をして居る窒素が人体によって少しも利用されぬということは神様も甚だしい
手ぬかりをしたものだと私は考えたのです。そうしてそれと同時に、これは決して神様の....