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「手のうち〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

手のうちの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
河童」より 著者:芥川竜之介
ログラムもたいていは独逸《ドイツ》語を並べていました。) クラバックは盛んな拍手のうちにちょっと我々へ一礼した後、静かにピアノの前へ歩み寄りました。それからや....
偸盗」より 著者:芥川竜之介
たい両手に堅く、沙金《しゃきん》の手をとらえた。 彼らは二人とも、その握りあう手のうちに、恐ろしい承諾の意を感じたのである。 五 白い布を....
耽溺」より 著者:岩野泡鳴
「しッかりなさいよ、先生」吉弥は立って来て、僕に酌をした。かの女は僕を、もう、手のうちにまるめていると思っていたのか、ただ気まま勝手に箸を取っていて、お酌はお....
柿色の紙風船」より 著者:海野十三
五千円のラジウムが、とうとう行方不明になってしまったのだ。だが、あの日までは私の手のうちにあったラジウムである。現在も地球上の、どっかに存在している筈であった。....
石塀幽霊」より 著者:大阪圭吉
夫の皺の多い横顔を見ながら、暑いなア、と思った。――断って置くが、この附近は山の手のうちでも殊に閑静な地帯で、平常でも余り人通りはないのであるが特にその日は暑か....
小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
の男はしずかに笑っていた。 「はは、くどくも言うようじゃが、お前たちの運命はわが手のうちじゃ。いかに燥っても狂うても、及ばぬ、及ばぬ。お身はその懐剣に手をかけて....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
、彼女の姿が入り口の下に見えなくなろうとしている時、かの美しい花束がすでに彼女の手のうちで凋れかかっているように見えた。しかし、それは愚かな想像で、それほど離れ....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
ん」 彼は彼女の手を握ると、彼女は手を引いた。 「いけません。わたしはあなたの手のうちにあるのです。それですからいけません……」 今度は彼女がコスモの前にひ....
」より 著者:岡本綺堂
近江屋七兵衛がよろこぶのも無理はなかった。彼はこの木曾の奈良井の宿で、一旦失った手のうちの珠を偶然に発見したのである。 七兵衛は四谷の忍町に五代つづきの質屋を....
三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
都度に高松さんは機嫌を悪くしました。ある時、久振りで薙刀を使わせてみると、まるで手のうちは乱れている。もと/\薙刀を云い立てに奉公に出たくらいで、その後も幾年の....
エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
しい人間階級に移った。武士でもなく、聖職でもないその階級の、実力もあり活力もある手のうちに、政治の手綱は、そのおいしい利益とともに落ちていったのである。ヘンリー....
」より 著者:カフカフランツ
守っており、Kをじっと見守っているのだ。使いの者といったら、彼女はすばらしいのを手のうちに収めている。つまり、Kの助手たちだ。あの二人を――だれにもどうしてかわ....
審判」より 著者:カフカフランツ
ません?」 Kは答えなかった。こうして突然身体の具合がわるくなってここの連中の手のうちにはいったようになっていることがあまりにもつらいことだったし、そのうえ、....
恩を返す話」より 著者:菊池寛
城《はらじょう》の陥落を望まなかったのは、恐らく甚兵衛一人であったろう。無論、寄手のうちに交っている切支丹宗門の者や徳川幕府に恨《うら》みを含んでいる者は、一揆....
勲章を貰う話」より 著者:菊池寛
独軍の将校たちがワルシャワの歌妓たちの歓待を受けるのだ。お前は、独軍の将校たちの手のうちにお前の女を今手渡ししようとしているのだ、お前がここを去ったら、もうお前....