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手の筋
「手の筋〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
手の筋の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「檸檬」より 著者:梶井基次郎
いっそうの堪《た》えがたさのために置いてしまった。――なんという呪われたことだ。
手の筋肉に疲労が残っている。私は憂鬱になってしまって、自分が抜いたまま積み重ねた....
「両国の秋」より 著者:岡本綺堂
は黙ってうなずいた。 「当ててみようか。浅草の五二屋《ごにや》さん。どうだい、お
手の筋だろう」 「楽屋番さんにして置くのは惜しいね」 「売卜者《うらないしゃ》に....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
どんな様子か拝見に出て来たんですよ」 「と云うのは、世を忍ぶ仮の名で、占い者にお
手の筋を見て貰って……。それから両国の川へ行ってお念仏を唱えて……。これから何処....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
ね」 「アッハッハッハッ、そう見えるかな」 「容易に金は置いてはゆくまい」 「お
手の筋だ。さてそれから?」 「手数をかけたそのあげく、竈の中で往生かね」 「お前....
「天主閣の音」より 著者:国枝史郎
へ上りたいんだろう? 決して人を上らせない、天主閣の頂上へさ。ホ、ホ、ホ、ホ、お
手の筋だろうねえ」 女の声は暫く絶えた。 「さて」と女の声がした。「安心おしな....
「恐竜島」より 著者:海野十三
だ。 これはいいことだった。紐の力で、浮かぶ扉にぶらさがっているわけであった。
手の筋肉は疲れないですんだ。そのかわり紐が手首をしめすぎて、少し痛くなった。玉太....
「村井長庵記名の傘」より 著者:国枝史郎
は拙者の位置まで経登ったと申すこと」 「アッハハハ、思った通りだ。アッハハハ、お
手の筋だ。肚の皮のよじれる話、飛んだ浮世は猿芝居だ。アッハハハ、こりゃ耐らぬ」 ....
「名人地獄」より 著者:国枝史郎
じっと打ち案じていたが、 「さては貴様は鼓賊だな」忍び音で叱※した。 「へい、お
手の筋でございます」 「ううむ、そうか、鼓賊であったか」 「相済みませんでござい....
「バークレーより」より 著者:沖野岩三郎
も、まだミスらしい婦人が出て来た。ミラー翁の娘さんらしい。 挨拶をすると、直ぐ
手の筋を見てやろうといった。で、セエキスピアが気味悪そうに右の手を出すと、彼女は....
「ガルスワーシーの家」より 著者:岡本かの子
をポックリ開いて、さも決心したらしい顔付きで言った。 ――恐れ入りますが、先生の
手の筋を拝見さして頂き度いのですが………記念の為めに」 余り宮坂の唐突な言葉に....
「沼畔小話集」より 著者:犬田卯
、つけてやると、それを旨そうに飲んで、急にご機嫌になっちまってね、どれ、姉さん、
手の筋見てやっぺ……なんて、こう、ぐいッとおいささんの方へ寄り添っちまってね、お....
「乳を刺す」より 著者:邦枝完二
かったじゃねえか。やっこは一晩、しっぽりと濡れて行ったか」 「恐れ入りやした。お
手の筋で。……鴎硯さんは、さかえ屋へ上がっていやしたが、面白く騒いで寝て今朝七ツ....
「白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
ついぞ、おいでになりもせぬのに、そんなことが、といいますとね、手をお出しさない、
手の筋を見てあげましょう。あなたの今日の運命にも顕われるから。――そういうのでね....
「妖怪学」より 著者:井上円了
の心にコックリの回転すべきを知るをもって、その自ら思うところのもの、知らず識らず
手の筋肉の上に発顕するをいう。他語にてこれを言えば、人おのおの自ら識覚せずして、....
「迷信解」より 著者:井上円了
天狗か亡霊が乗り移りて動くのであると考えておれども、その実、われわれの精神作用が
手の筋肉の上に働き、知らず識らずの間に運動を盆の上に伝え、衆人の力相合し相加わり....