手の腹[語句情報] » 手の腹

「手の腹〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

手の腹の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
道草」より 著者:夏目漱石
に後《うしろ》へ撫《な》で付けられていた。 彼はふと健三の眼を見た。そうして相手の腹を読んだ。一旦|横風《おうふう》の昔に返った彼の言葉遣がまた何時の間にか現....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
を出した。「まるで犯人はテルみたいに、たった一矢で、露き出しよりも酷い青酸を、相手の腹の中へ打ち込んでいるだろう。つまり、その最終の結論に達するまでに、光と創紋....
残されたる江戸」より 著者:柴田流星
い江戸ッ児以外の人には馬鹿気切ってて嘘にも真似の出来たものではない。 殊には熊手の腹に阿多福のシンボル、そもそも誰が思いついての売りはじめやら、勿体らしく店々....
愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
ど微かな悲哀の快感が味わいたい。 風の疾い、星の凄いこの頃の夜半、試みに水銀を手の腹に盛ってみたまえ、底冷たさは伝わってわれらの魂はぶるぶると慓えるであろう。....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
なくしちゃア合うめえやな。ときにベク助朝臣と見こんで頼みの筋があるが……」 相手の腹を読みきっておちっき払った五忘の様に、ベク助も殺気を失ってしまった。 ....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
と口論のあげく、相手の鎌で左の小指とクスリ指を根元から斬り落されたが、その代り相手の腹を蹴倒して生涯不治の半病人にしてしまった。そのために、村に居るのもイヤにな....
戯作者」より 著者:国枝史郎
はない」 「あっ、成程、これはごもっとも」 「さて、剣だ、下段に構えるがよい。相手の腹を狙うのだ。切るのではない突き通すのだ。眼は自分の足許を見る。そうしてじっ....
名人地獄」より 著者:国枝史郎
その足跡は、ここまでやって来て消えている。……と思うのは間違いで、河に向かった土手の腹に、非常に乱暴についている。これは何物かに驚いて、かごを雪の上へほうり出し....
日本料理の基礎観念」より 著者:北大路魯山人
手の嗜好を見分け、老若男女いずれにも、その要求が叶うようでなくてはなりません。相手の腹が空いているかどうか、この前にはどんなものを食べているとか、量とか質とか、....
三国志」より 著者:吉川英治
のべ、奮勇一番、ご蹶起あらんことを」 と、再拝低頭、畏れ慎んで云いながらも、相手の腹中にはいって懇願した。 袁紹は一笑した。 「何かと思えば、虫のよい玄徳の....