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手も無く
「手も無く〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
手も無くの前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「白髪小僧」より 著者:杉山萠円
湖の香|埃《ほこり》のかおり 他には何にも嗅《か》がれぬ恨み 舌には話しの相
手も無くて 泣くも笑うも只身一ツの 淋《さみ》しい淋しい怨みを籠めて あと....
「幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
じく思われるほど感謝の様を現わしたが、頓て「アア貴方は、抱き止めずに放って置けば
手も無く恋の敵をなき者とする所で有ったのに、エ、爾では有りませんか、抱き止めずと....
「血の文字」より 著者:黒岩涙香
ましたが是ほど旨く行た事は有ません警「では藻西を捕縛したか、夫は大変だが巡「はい
手も無く捕縛して仕舞いました夫に彼れ全く逃れぬ所を見てか不残白状して仕舞いました....
「湯女の魂」より 著者:泉鏡花
どこが痛むというでもなく、寝てばかりおりましたのでございますよ。」 さあ驕れ、
手も無くそれは恋病だと、ここで言われた訳ではありませんから、小宮山は人の意気事を....
「余は大衆作家にあらず」より 著者:中里介山
ーナリ文学というものが一般を毒し、智識階級の観念を乱していることは非常なもので、
手も無く彼等の下司根性《げすこんじょう》から出でた空宣伝に乗ってしまっている、斯....
「活人形」より 著者:泉鏡花
案内せり。 前には八蔵|驚破といわばと、手ぐすね引きて待懸けたり。後には銀平が
手も無く得右衛門に一杯くわして、奪い行かむと謀りたり。わずかに虎口を遁れ来て、仁....
「斬られの仙太」より 著者:三好十郎
分達の仲間が川へドンドン落ちているのもご存じねえで、ただ押しゃいいと思っている。
手も無く豚だ! あれが百姓さ! フン、俺も百姓になるんだなんぞと無駄な力こぶを入....
「どら猫観察記」より 著者:柳田国男
しの三毛猫などにしてから、再び荒野らに放つに至った本意や如何。果して誤解も手前勝
手も無く、且つ先見の明を以て猫の幸福まで考えて居たのかどうか。忙しい紳士たちは、....