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「手を出す〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

手を出すの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
路上」より 著者:芥川竜之介
、振《ふる》っているじゃありませんか。つまりああ云う天才でも、やっぱりこの方面へ手を出すぐらいな俗気《ぞくき》は十分あったんで――まあ、その点は我々と似たり寄っ....
或る女」より 著者:有島武郎
手ははげしく震え出した。 「おい、手伝ってくれてもよかろうが」 葉子があわてて手を出すとはずみにボタンは畳の上に落ちてしまった。葉子がそれを拾おうとする間もな....
星座」より 著者:有島武郎
とおっしゃられるとね」 と落着いた調子でいいながら奥さんは躇《ため》らいもせず手を出すのだった。 「御同情いたみ入ります」 渡瀬は冗談じゃないぞと心の中でつ....
深夜の市長」より 著者:海野十三
適宜の処置を講ずるから……とネ。では……」 といって、白い毛布の間から健全な左手を出すと、僕の手を堅く握った。 外に出てみると、愕いたことに、雪がチラチラ降....
赤外線男」より 著者:海野十三
湯気の立ち昇る紅茶のコップを置かせてあったが、主人公がさア飲もうと思ってその方へ手を出すと、これは不思議、紅茶が半分ばかり減っていた。これはきっと「赤外線男」が....
蠅男」より 著者:海野十三
ますがネ」 「自首? ハッハッハッ。誰が自首なんかするものか。――とにかく下手に手を出すと、きっと後悔しなければならないぞ」 「貴方も注意なさい。警察では、どう....
春昼」より 著者:泉鏡花
とする。火は附いていないから、火傷はさせぬが、夢中で取られまいと振動かす、小児は手を出す、飛車を遁げる。 よだれを垂々と垂らしながら、占た! とばかり、やにわ....
心臓盗難」より 著者:海野十三
う。 だが探偵の説得は、効を奏しなかった。かの若紳士は、毛布の中から血だらけの手を出すと、自分の胸を指して叫んだ。 「このとおり僕の心臓はなくなっている。君は....
すり替え怪画」より 著者:海野十三
ものだと見分けて、手をつけないのだった。だから怪盗はこのルウベンスの名作に必ずや手を出すにちがいないと思った。 だが彼は、北岡氏に対し、そのことを予め警告する....
火星兵団」より 著者:海野十三
火星人のつれが二人いた。 この二人は、仲間を助けたいと思って、何とかしようと手を出すのであるが、上の火星人があばれるのでどうにもならない。 その中に、宙づ....
火薬船」より 著者:海野十三
が、はて、あの事務長め、いつからこんなに気がきくようになったか」 と、ひょいと手を出すところを、丸本がまっていましたとばかり、麻紐の輪をかけてしまった。 「あ....
地底戦車の怪人」より 著者:海野十三
追う。いつしか二人は、戦車の隅っこに、しきりに頭をぶちつけあっていた。 「こら、手を出すな」 「いや、自分も食べたいのです」 二人の争いは、いつおわるとも、わ....
陽炎座」より 著者:泉鏡花
いで、おいで―― と招いていそうで。 手に取れそうな近い音。 はっ、とその手を出すほどの心になると、橋むこうの、屋根を、ひょいひょいと手踊り雀、電信柱に下....
星女郎」より 著者:泉鏡花
た処は、玉を踏んで洗うようで。 (さあ、お寄越しなさいまし。) と美しい濡れた手を出す。 (ちょいと濯ぎましょう。) 遮ると、叱るように、 (何ですね、跣足....
活人形」より 著者:泉鏡花
逢わしゃあがった。「何、どうしたと、殺り損って反対に当身を喰った。それだから虚気手を出すなと言わねえことか。や、銀平殿お前もお帰りか。「はい、旦那唯今。「うむ、....