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手を取る
「手を取る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
手を取るの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「土曜夫人」より 著者:織田作之助
は旅に限るよ。旅は道連れ、一夜は情けか」 京吉は軽薄に言って、さア行こうと娘の
手を取ると、 「――見よ、東海の朝帰り!」 口ずさみながら、出て行った。 東京....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
きますが、たとい夜なかにどんなことがあっても、かならず顔をあげてはなりませぬぞ」
手を取るようにして蚊帳のなかへ押し込まれて、お蝶は雪のように白い衾につつまれた。....
「三つの宝」より 著者:芥川竜之介
それも間違いだったらしい。 王 そうだ。我々は二人とも間違っていたのだ。(王子の
手を取る)さあ、綺麗に仲直りをしましょう。わたしの失礼は赦して下さい。 王子 わ....
「三人の双生児」より 著者:海野十三
、ちょっと上って下さいな。実は大変なことが出来ちゃって……」 と妾は速水女史の
手を取るようにして上にあげた。そこで女史に、この突発事件について、差支えのない範....
「食魔」より 著者:岡本かの子
、鼈四郎は、蛍雪の相手をする傍ら、姉妹娘に料理法を教えることをいい付かり、お絹の
手を取るようにして、仕方を授ける間柄になって来ると、鼈四郎は心易いものを覚えた。....
「修禅寺物語」より 著者:岡本綺堂
、あすまた逢いましょうぞ。 (頼家は行きかかりて物につまずく。桂は走り寄りてその
手を取る。) 頼家 おお、いつの間にか暗うなった。 (僧はすすみ出でて、桂に燈籠....
「薬草取」より 著者:泉鏡花
高坂がその足許に平伏したのは言うまでもなかった。 その時肩を落して、美女が
手を取ると、取られて膝をずらして縋着いて、その帯のあたりに面を上げたのを、月を浴....
「錦染滝白糸」より 著者:泉鏡花
手へ引込む。 村越。つつと出で、そこに、横を向いて立ったる白糸を一目見て、思わず
手を取る。不意にハッと驚くを、そのまま引立つるがごとくにして座敷に来り、手を離し....
「湯島の境内」より 著者:泉鏡花
※いえど此方は水鳥の浮寝の床の水離れ、よしあし原をたちかぬれば、 この間に早瀬
手を取る、お蔦振返る早瀬もともに、ふりかえり伏拝む。 さて行かんとして、お蔦|衝....
「照葉狂言」より 著者:泉鏡花
、小親さんがお獅子を舞いますッて、ね、可いでしょう、さあ、いらっしゃい。」 と
手を取るに、さりとも拒み得で伴われし。木戸に懸る時、木戸番の爺われを見つつ、北叟....
「番町皿屋敷」より 著者:岡本綺堂
っていると、やがて奥からお菊がいそいそと出て来た。 「阿母さん。まあ、こっちへ」
手を取るようにして自分の部屋へ連れて行こうとするのを、母はあわただしく断わった。....
「鬼」より 著者:織田作之助
顔も洗わずに結婚式を挙げるのは、君ぐらいのものだ。まアいい。さア行こう」 と、
手を取ると、 「一寸待ってくれ。これから中央局へ廻ってこの原稿を速達にして来なく....
「山吹」より 著者:泉鏡花
は人間の道について、よく解っておりません。何ともお教えは申されない。それから私が
手を取る事です。是非善悪は、さて置いて、それは今、私に決心が着きかねます。卑怯に....
「清心庵」より 著者:泉鏡花
もしもし、清心様とおっしゃる尼様のお寺はどちらへ、と問いくさる。はあ、それならと
手を取るように教えてやっけが、お前様用でもないかの。いい加減に遊ばっしゃったら、....
「卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
振を加れて、今度は、友染の褄を蹴て、白足袋で飛ぶように取って返すと、お悦が、私の
手を取るが迅いか、引出すのに、真暗になって、木戸口へついて出た。その早い事、私が....