手を引く[語句情報] » 手を引く

「手を引く〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

手を引くの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
自分の思うとおりをぶっきらぼうにいってのけた。 木村はそのくらいな事で葉子から手を引くようなはきはきした気象の男ではない。これまでもずいぶんいろいろなうわさが....
小作人への告別」より 著者:有島武郎
なからず実際の上に便利でしょう。 具体案ができ上がったら、私は全然この農場から手を引くことにします。私も今後は経済的には自分の力だけの範囲で生活する覚悟でいま....
透明猫」より 著者:海野十三
へふみこむと、両手でその玉をぎゅっとつかもうと――。 「うわっ」青二は、いそいで手を引くと、その場にとびあがった。玉をつかむ前に、掌《てのひら》が、ごそごそとす....
耽溺」より 著者:岩野泡鳴
ないので、ひとつは動きがつかなくなったのだ。しかし、もう、こうなった以上は、僕も手を引くのをいさぎよしとしない。僕は意外に心が据った。 「もう少し書いたら行くか....
三角形の恐怖」より 著者:海野十三
抱かせることの出来た私は、もうそれで所信の点を充分確かめ得たわけですから、此所で手を引くのが当り前でした。しかしいつの間にやら私の興味はこういう概念的なことより....
夜叉ヶ池」より 著者:泉鏡花
そのいそいそ見繕いするを見て)支度が要るか、跣足で来い。茨の路は負って通る。(と手を引く。) お百合その袖に庇われて、大勢の前を行く。――忍んで様子を見たる、学....
湯島の境内」より 著者:泉鏡花
をふる。) 早瀬 よ。(と胸に手を当て、おそうとして、火に触れたるがごとく、ツト手を引く)死ぬ気になって、と聞いたばかりで、動悸はどうだ、震えている。稲妻を浴び....
歌行灯」より 著者:泉鏡花
熱い。肉は燃える、血は冷える。あっ、」と言って、両手を落した。 吃驚して按摩が手を引く、その嘴や鮹に似たり。 兄哥は、しっかり起直って、 「いや、手をやすめ....
湯女の魂」より 著者:泉鏡花
んまり可哀そうだから、私がその病気を復して上げる、一所においで。) と立ったまま手を引くように致しましたが、いつの間にやら私の体は、あの壁を抜けて戸外へ出まして....
怨霊借用」より 著者:泉鏡花
ずれ有志の一人と、仮装なかまで四五人も誘ったが、ちょっと手を引張っても、いやその手を引くのが不気味なほど、正のものの身投げ按摩で、びくとも動かないでいる。……と....
カメラに関する覚え書」より 著者:伊丹万作
ポジションを決定する場合がある。このような部分、あるいは場合に関しては監督は一応手を引くべきであろう。 なぜならば、それらは純粋にカメラ的な仕事だから。 カ....
思い」より 著者:伊丹万作
を持たせておくのが常識だろう。 ここらで映画の前途に見きわめをつけて、そろそろ手を引く事業家が出てくるかもしれぬが、もしそんなことがあつても、このような多難な....
三十年前の島田沼南」より 著者:内田魯庵
ると、イツカ互に同士討している事が解るから誰も皆|厭気がさして手を引いてしまう。手を引くばかりでなく反感を持つようになる。沼南統率下の毎日新聞社の末期が惰気満々....
押しかけ女房」より 著者:伊藤永之介
どのしぐさではなかつた。 「いいよ、何でもないよ、一寸話したいんだ」 そのまま手を引くと、それ以上さからおうとせず尾いて来た。 もう佐太郎は夢中であつた。興....
私の履歴書」より 著者:浅沼稲次郎
かかった。私は相撲部員であり、かつボートも漕いだから、稲村隆一君とともに相撲部に手を引くように頼みに行った。ところが議論をつくし説得しているうちに、稲村君の持っ....