手ブラ[語句情報] »
手ブラ
「手ブラ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
手ブラの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
て、左右には何かを携えている。それが今日に限って、背中にも子供がいないし、左右も
手ブラですから、それが子供の目にもついたらしい。 「与八さん、いい着物を着て来た....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
、今の場合では、どうしても、そうして手ぶらで帰るよりほかに道はありません。せめて
手ブラでなりと無事に帰って、人を安心させ、自分も安心して、この一夜を明かしてから....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
。 見れば、今の大きな明荷を、どこへどう処分してしまったか、またも最初のように
手ブラで、むっくりと小笹の中から浮び出し、そうして、縄のれんをめがけて鉄砲玉のよ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
に新し味が増すわけはなく、また同時に、米友がたとい長浜から帰ったにしたところで、
手ブラで帰ったんでは、こうまで室内の面目を一変することはできない。つまり、米友が....
「アンゴウ」より 著者:坂口安吾
そめているうちに、怖いながらも、だんだん慾がでてきたのよ。そのとき秋夫がお母さん
手ブラで焼けだされちゃ困るだろうと言ったの。すると和子が、そうよ、きっと乞食にな....
「桐生通信」より 著者:坂口安吾
である。しかるべきインドアの練習場が新設され、備えつけのクラブとボールがあって、
手ブラででかけて毎日存分に練習することができる。それで月に百円だ。ゴルフが金持の....
「お魚女史」より 著者:坂口安吾
ネ、先生がネエ、いくらか変ってるんじゃないかと思ってネ、見物に来たんだそうだよ。
手ブラで来やがんのさ。包みをかゝえているからネ、それ手ミヤゲって訊いたらネ、オヒ....
「現代忍術伝」より 著者:坂口安吾
一年二年のあいだ、むかし工場にいたらしい人物が時々人目を忍んで捜査にきて、みんな
手ブラで帰ったと女中なんかも噂しているからさ。噂だけはあるんだよ。だから実物を見....
「街はふるさと」より 著者:坂口安吾
も買ってあげなければいけないでしょう。その機会がなければとにかく、機会があって、
手ブラで帰せると思いますか」 一々もっともである。自分の家から失踪したまま京都....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
モリであった。由也は三人とも起きているうちに帰宅したから三人で出迎えに出たが彼は
手ブラであった。その後も彼が何か持ちかえった様子はない。 以上の通りであった。....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
彼の住居と道場の建設には平戸久作という人が当り、それが完成すると、島田一族三名が
手ブラで越してきた。ただ一ツたずさえてきた皮の行嚢の中に黄金の延棒が百三十本ほど....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
那でない人を連れて出なくッちゃアなりませんから。火消の親分が人を救いにとびこんで
手ブラで生きて戻るわけに行きません。まして、恩義ある旦那ですし、自分で火をかけた....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
へ去るまでボンヤリ見ていたんですよ。ちょうど今ごろの季節でしたよ。オヤジは確かに
手ブラで家をでたのですが、死んでいたときには、クワもあったし、ガンドウもあったそ....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
うちに向島の魚銀という料理屋がオレのところへタケノコを買いにきてくれるが、今日は
手ブラで東京へでる用があったから、背中が軽いのはモッタイないと思って、ついでに魚....
「明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
取立てるということは積極的な事実であるが、言訳の方はもともとゼロで、こっちも元々
手ブラであるし先方も
手ブラで帰るだけのことだから、そこにおのずから詩境も生じてく....