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手付
「手付〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
手付の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
眼の前につかえているんじゃありませんか。春着をこしらえるなら拵えるように、せめて
手付けの一両ぐらいこっちへ預けて置いてくれなけりゃあ、どこの呉服屋へ行ったって話....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
げた。 「ところで、御亭主。わたしは通りがかりでそれだけの金を持っていないから、
手付けに三両の金をおいて行く。どうだろうな」 それは珍らしいことではないので、....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
、お愛嬌に何か訳のわからない唄を歌って、カンカンノウといったような節廻しで、変な
手付きで踊って見せる。まったく子供だましに相違ないのですが、なにしろ形が変ってい....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
は十五両と聞いて、侍はすこし首をかしげていたが、とうとうそれを買うことになって、
手付けの一両を置いて行った。 「明朝さるところへ持参しなければならぬのだから、気....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
醒ましたのは日暮れ近くであった。みると、寝台のそばにカムポスがいて、じつに器用な
手付きでズボンを繕っている。こいつ、昨夜のあのカムポスじゃないか。してみると、じ....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
までも捻くっていて、しばらく数分のあいだ瞶めていた。しかし、ついにつまらなそうな
手付で卓上に投げ出したけれども、さすが文中に籠っているディグスビイの呪詛の意志に....
「島原心中」より 著者:菊池寛
次々に剖かれて行くのでした。警察医は、鶏の料理をでもするように、馴れ切った冷静な
手付きで、肺や心臓や胃腸など一通り見た上で、女に肺尖カタルの痕跡があるといいまし....
「奇賊は支払う」より 著者:海野十三
目に遭いましたよ。全く話になりません」 探偵猫々は、そういいながらマッチをする
手付をしてみせた。 「名探偵がひどい目にあったと仰有るからには、本当にたいへんだ....
「薬草取」より 著者:泉鏡花
目の傘を差すにも、小指を反して、三本の指で、横笛を吹くか、女郎が煙管を持つような
手付をする、好かない奴。 私がちょこちょこ近処だから駈出しては、薬取に行くので....
「貞操問答」より 著者:菊池寛
」そういって、美和子は、美沢のさし出したチェリイの箱から、一本とり出して、可愛い
手付で火をつけると、 「ねえ。活動に行かない?」と、促した。 「こんな真昼に、暑....
「虎」より 著者:岡本綺堂
ですね。」 「まあ、そうだ。それだから二人は納まらない。由兵衛は漁師たちに半金の
手付を渡し、鯨はあとから引取りに来ることに約束を決めて、若い者ひとりと共に帰って....
「昔のことなど」より 著者:上村松園
とがありましたが、その後気がつきますと西山(翠嶂)さんが莨を喫んで居られるとその
手付きが先生にそっくりなのに驚いたこともあります。師匠と弟子との関係はこれでこそ....
「拷問の話」より 著者:岡本綺堂
かと詮議した末に、どうも気に入ったものがないからといって、幾品かを新しく注文して
手付の金をも置いて行ったのである。そうした掛合のあいだに彼らは鼈甲の櫛四枚をぬす....
「俗臭」より 著者:織田作之助
がむずかしいのだ。少し手元が狂えば大切な白金が逃げる。春松のゴマいりを揺り動かす
手付きは、見ていて惚々するほどで、しかも逃げた砂粉を再び何度も/\ゴマいりにいれ....
「妖影」より 著者:大倉燁子
うに云い直した。 「ああ。貴方は何んでしょう? 私が何か物を取ろうとする時に変な
手付きをやるもんだから、それを仰しゃってらしたんでしょう? しかしあれは神経痙攣....