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手入らず
「手入らず〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
手入らずの前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「婦系図」より 著者:泉鏡花
頼みにしている、四番目の娘だがね、つい、この間、暑中休暇で、東京から帰って来た、
手入らずの嬢さんは、医学士にけがされたぜ。 己に毒薬を装らせたし、ばれかかった....
「白くれない」より 著者:夢野久作
造の遺跡が、山から参いります石筧の水と一所に附いておりますから御別荘に遊ばすなら
手入らずなんで……」 「高価いだろう」 「それが滅法お安いんで……。まだそこいら....
「敵討札所の霊験」より 著者:三遊亭円朝
たってもいけねえや、修行者でも商人でも宜く巡礼の姿に成って来ることが有るが、汝は
手入らずの処女に違えねえ、口の利き様から外輪に歩く処は、何う見ても男のようだが、....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ましょうとも、お余りでありましょうとも、うまい物には眼のないこのがんりき、まして
手入らずの生一本《きいっぽん》ときては……」 二十六 ほどな....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ありゃ、けっこう使いでがある」 道庵が勇み立ちました。 事実、この際、百両を
手入らずに一日の一興に使ってしまえば、決して貧弱な費用とは言えないでしょう。おそ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
うなるもんですか。あのいつぞやの晩でげした、新お代官の奴は新お代官で、どこからか
手入らずの新しいのをつれ込んで、たんまりはんべらせようとなさるし、お前さんはお前....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
た。
こうなってみると、ウスノロめが生命がけで苦心経営した食と住とのすべては、
手入らずに白雲のものとなったのです。楚人《そじん》これを作って漢人|啖《くら》う....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
く、坂路が捗取りません。 馬場へ懸ると、早や日脚が摺って、一面に蔭った上、草も
手入らずに生え揃うと、綺麗に敷くでござりましてな、成程、早咲の桔梗が、ちらほら。....
「茶粥の記」より 著者:矢田津世子
をこしらえるものだから良人は清子のことを「粥ばば」と言ってからかったものだった。
手入らずのお金かからずだとて、客をもてなすにも清子のお粥である。良人はよくこう冷....