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手切れ金
「手切れ金〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
手切れ金の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
外素直に承諾した。それは又お鈴が恐れていたお芳の兄も同じことだった。お芳は千円の
手切れ金を貰い、上総《かずさ》の或海岸にある両親の家へ帰った上、月々文太郎の養育....
「籠釣瓶」より 著者:岡本綺堂
んなさもしいことは言わない。千両箱を積んで八橋を請け出して、お前さんの眼の前にも
手切れ金の四百両、五百両をならべて見せるが、それが出来ない今の身の上となっては、....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
、女は嘲るように又云った。「そんなことを云ってうまく誤魔化して、十両にも足りない
手切れ金で、あたしを体よく追っ払おうとしても、そうは行きませんよ。あたしのような....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
敷に戻った。
しかし彼は、乾雲丸のことよりも、きょうおさよに約束した栄三郎への
手切れ金五十両の工面《くめん》に、はたといきづまっていたのだった。
五百石のお....
「神サマを生んだ人々」より 著者:坂口安吾
ていただけと脅迫するんです。今までの恩返しに多くのことはするに及ばないが、応分の
手切れ金をいただいてそれを置いて出て行けと云うんです。どなたかの二号にしていただ....
「投手殺人事件」より 著者:坂口安吾
をうけて、かくまってあげたり、岩矢天狗さんと交渉したりしたのですが、天狗さんは、
手切れ金、三百万円だせ、と仰有るのです。大鹿さんは、昨日、関西へ戻りました。三百....
「豊竹呂昇」より 著者:長谷川時雨
められたのが出世のはじまりとなった。めきめきと売出した時に、播重の手から八百円の
手切れ金を立替えて、不思議な紳士とも手を断《き》る事が出来たが、しかしながらまた....
「肌の匂い」より 著者:三好十郎
けて來たが、稻子の方で承知しない。ああの、こうのと言つて拒んで來たが、現在では、
手切れ金として三十萬圓拂わなければイヤだと言つている。伸一郎の方は出せないと言う....
「死者の権利」より 著者:浜尾四郎
、母として己が腹に宿れる児に対する聖なる義務に相違ありませぬ。 小夜子が千円の
手切れ金を云々したという事実を私は信ずることは出来ませぬ。然し仮りにいったとして....
「俗臭」より 著者:織田作之助
たと見る可きだ。「賀来子は何の欠点もないのに一生棒に振るのや。如何いする?」暗に
手切れ金のことをほのめかしたのだ。それ位は権右衛門も出してもよいだろう。千円の金....
「私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
敷包み一つと、鏡つきの花嫁をもらったが、どうしたわけか、そりが合わず、結局五円の
手切れ金を出して間もなく別れてしまった。こうした間にも芸者の出入りは続き、むしろ....