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「手創〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

手創の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
幻影の盾」より 著者:夏目漱石
世の残るまでと誓いたる、クララの一門に弓をひくはウィリアムの好まぬところである。手創《てきず》負いて斃《たお》れんとする父とたよりなき吾《われ》とを、敵の中より....
護持院原の敵討」より 著者:森鴎外
それに本多家、遠藤家、平岡家、鵜殿家の出役があって、先ず三人の人体、衣類、持物、手創の有無を取り調べた。創は誰も負っていない。次に永井、久保田両|徒目附に当てた....
申陽洞記」より 著者:田中貢太郎
」 李生は恭しく礼をしながらでまかせを言った。 「では、お前は医者か、医者なら手創の療治ができるか」 李生はうっかりすると甚い目に逢うから、ここが大切だと思....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
袴や、旅人風に糸楯《いとだて》を負ったのや、百姓の蓑笠《みのかさ》をつけたのや、手創《てきず》を布で捲《ま》いたのや、いずれも劇《はげ》しい戦いと餓《うえ》とに....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
、このたびこそは有無の勝負を決せんと、春照高番まで取りつめてみたが、味方に多少|手創《てきず》を負うたものがありとはいえ、もうこうなってみればこっちのもの――胆....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
る面立《おもだ》ちをしておりましてな。もう五年も前のことですから、今頃はすっかり手創《てきず》が癒《なお》って、しかるべきところへ縁づいて、子供の二人も出来てい....
獄中消息」より 著者:大杉栄
手くびに二十数カ所、腕に十数カ所、首のまわりに二十幾カ所という最初の晩の南京虫の手創を負うたまま、その上にもやって来る無数の敵を、こうして無抵抗主義的に心よく迎....
興津弥五右衛門の遺書」より 著者:森鴎外
幟を一番に入れ候時、銃丸左の股に中り、ようよう引き取り候。その時某四十五歳に候。手創平癒候て後、某は十六年に江戸詰仰つけられ候。 寛永十八年妙解院殿存じ寄らざ....