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手向う
「手向う〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
手向うの前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「真景累ヶ淵」より 著者:三遊亭円朝
笠阿弥陀を横に見て、林の処へ出て参りますと、左右は芒畳で見えませんが、左の方の土
手向うは絹川の流れドウ/\とする、ぽつり/\と雨が顔にかゝって来る。
惣「富五....
「第五氷河期」より 著者:海野十三
っと大分あたるようになったくらいだ。自然の大きな力に刃向う人知の大きさは、人間に
手向う蟻の力よりもはるかに小さい。いったい、このごろの人間は、自惚れすぎているよ....
「渦巻ける烏の群」より 著者:黒島伝治
をかじり、雪を食ってのどを湿した。 どちらへ行けばイイシに達しられるか! 右
手向うの小高い丘の上から、銃を片手に提げ、片手に剣鞘を握って、斥候が馳《は》せ下....
「小田原陣」より 著者:菊池寛
城後、武州金沢の称名寺にかくれていたが、秀吉之を呼び出し、「勝家の甥として、我に
手向うは殊勝なり。然れども今や天下我に帰したれば、汝達の立てこもる場所もなかるべ....
「安重根」より 著者:谷譲次
た洗濯物が二三、夜露に湿って下っている。下は、いっぱいに近隣の屋根。物乾し場の下
手向う隅に昇降口、屋根を伝わって梯子あり。遠く近く家々の窓の灯が消えて往く。一面....
「地球要塞」より 著者:海野十三
あははは、そう無理をするなといっているのに、君は分らん男だなあ。その体で、わしに
手向うことは出来ないではないか。そうすればわしは、君に代ってこのクロクロ島の実権....
「電車停留場」より 著者:豊島与志雄
して沼田英吉は彼を引立てようとした。その手先を彼は払いのけた。 「あくまでも君は
手向うのか。」と云って沼田英吉は相手の顔を見据えた。 先刻から沼田英吉は、相手....
「後の業平文治」より 著者:三遊亭円朝
と間毎々々を尋ねますと、目指す敵の蟠龍軒は生憎不在と承知いたし、無念|遣る方なく
手向う門人二三を打懲らし、庭に残して置きました村と婆を切殺して其の儘帰宅致しまし....
「天狗外伝 斬られの仙太」より 著者:三好十郎
段六 お願いでごぜます! それでも動こうとする百姓は居ない……。 声 (土
手向うの仕置場の方から響く)ええい、出ませい! 御検分! 控え方! よろしうござ....
「斬られの仙太」より 著者:三好十郎
段六 お願いでごぜます! (それでも動こうとする百姓はいない……) 声 (土
手向うの仕置場の方から響く)ええい、出ませい! 御検分! 控え方! よろしうござ....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
「世話をやかせずと、早く来い」 何処へか連れて行こうとするのである。この人に
手向う力はなかった。武蔵は、沢庵の行くままに歩いた。また、樹の上か、それとも今度....
「三国志」より 著者:吉川英治
何かはたまるべき、荊州の兵は、釜中の魚みたいにただ逃げ争って蜀兵の殺戮にたいし、
手向う意志も失っていた。山を攀じ、谷へのぞんで逃げ出した兵も、猿のように敏捷な蜀....
「仏法僧鳥」より 著者:斎藤茂吉
方までまいった。案内の小童は極く無造作に大小高下の墳塋をば説明して呉れた。 『左
手向う木の根|一本は泉州岸和田岡部美濃守』 『この右手の三本は多田満仲公です。当....