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手回し
「手回し〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
手回しの前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
「そんなにあの奥さんにあなたの御信用があるのなら、わたしから申しておくほうが早
手回しですわね」
と葉子は半分皮肉な半分まじめな態度で、横浜出航以来夫人から葉....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
だぞ。事がそうと決まりゃ、露月町の泥斎《でいさい》とやらが本能寺だ。ぱんぱんと早
手回しにやってめえりますからね、ちょっくらお待ちなせえよ」 飛び出していったか....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
うぜ!」 「え……?」 「おまえにいってるんじゃねえ。まだちっと季節に早いが、早
手回しに知恵蔵の虫干ししようかと、おいら、おいらに相談しているんだ。――珍念さん....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
じゃったし、ほかに不審とも思われた節はないが、身寄りもない無宿者に、だれがそんな
手回しのいいことをしたものか、棺にして運び出したようでござりましたよ」 「え? ....
「隣の嫁」より 著者:伊藤左千夫
省作はからだは大きいけれど、この春中学を終えて今年からの百姓だから、何をしても
手回しがのろい。昨日の稲刈りなどは随分みじめなものであった。だれにもかなわない。....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
のそばには、まだ麦をなぐる最中のところもある。日向に麦をかわかしたところもある。
手回しよく大根なぞを蒔きつけるところもある。 大空には、淡い水蒸気の群れが浮か....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
がたく、人身の得がたく、諸根のそなえがたいことを教えて置いて行こうとしてあった。
手回しのいいこの和尚はすでに旅の守り袋を用意したと言って、青地の錦の切地で造った....
「読書法」より 著者:戸坂潤
持ちを覚える。同氏の力の這入った解説文も丁寧で要を得ており、読者の聴きたいことを
手回しよく伝えている。最近の編者ロートアッカー版の序文の比ではないようだ。 ....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
めだ?」「何のためだか俺にもわからねえ、」とロンビエは言った。ジャクリーヌという
手回しのいい男は、労働者が通りかかるとだれかまわずに近寄って行った。「いっしょに....