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手土産
「手土産〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
手土産の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「吉良上野の立場」より 著者:菊池寛
んやつだ」と、上野は呟いた。 用人が、 「浅野から」といって、藤井の持って来た
手土産を差し出した。 「それだけか」 「はい」 「外に、何にも添えてなかったか」....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
申される方でござります」 「えろう優しい名前じゃな。では、その、京弥どのとやらを
手土産にして拾って参らばよいのじゃな」 「あい……、どちらになりと御気ままに……....
「青春の逆説」より 著者:織田作之助
めた。 某日、軽部の同僚と称して、薄地某が宗右衛門町の友恵堂の最中《もなか》を
手土産に出しぬけに金助を訪れ、呆気にとられている金助を相手に四方山の話を喋り散ら....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
をたずねる途中、麹|町《まち》三丁目へまわって、例の助惣焼《すけそうやき》の店で
手土産を買っていると、そこへ瓦版の読売《よみうり》が来ました。浅草天王橋のかたき....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
、電気試験所は一部が焼けたと、昨日中川君が報せてくれた。そこで今日は自著十一冊を
手土産として、同部へ見舞に出かけた。 ◯電車は、昨日までは、大橋―渋谷間が不通で....
「蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
来て、蒲生源左衛門を頼んだ。ただ来たところで容れられる訳は無いから、飛んでもない
手土産を持って来た。それは政宗と一揆方との通謀の証拠になる数通の文書であった。逃....
「火薬船」より 著者:海野十三
め!」 「こういうわけだと、そのわけを聞かせてやるのも、あの世へたび立つお前への
手土産のつもりだ。もっとも、医者にみせたって、この有様じゃ、所詮たすかる見こみは....
「探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
……。いずれ後程おとどけ申します。これはほんの皆さんのお茶受けです。」 彼女は
手土産の菓子折を置いて機嫌よく帰ったので、そばにいる者共はほっとした。昔馴染みは....
「雨」より 著者:織田作之助
貌が軽部を慰めた。 某日、軽部の同僚と称して、蒲地某が宗右衛門の友恵堂の最中を
手土産に出しぬけに金助を訪れ、呆気にとられている金助を相手によもやまの話を喋り散....
「兜」より 著者:岡本綺堂
とである。そのついでにかの親子をたずねて、先年の礼を述べようと思って、いささかの
手土産をたずさえてゆくと、その家はもう空家になっているので、近所について聞合せる....
「中支遊記」より 著者:上村松園
て来た人であるという激しさはどうにも汲みとれない静かさである。 私は型ばかりの
手土産にと持参した色紙をお贈りしたが、これもあふれるような笑顔で受けて貰えた。そ....
「雪柳」より 著者:泉鏡花
ですか、争えない、それもあります。それに、自動車でなくっては運ばれない。嵩張った
手土産がありました。 「義理さえ欠けなければ。」 とあとでいう家内の言について....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
それこそじつに極楽で、「三位一体」にお目にかかるときに、なによりもふさわしい
手土産であろう。幾年も、この目的のために、努力を重ねながら、彼は働き続けてきてい....
「雨」より 著者:織田作之助
だけが朧げに分った。その軽部は、それから三日後、宗右衛門町の友恵堂の最中五十個を
手土産にやって来て、実はお宅の何を小生の連添いに頂きたいのですがと、ポマードでぴ....
「俗臭」より 著者:織田作之助
かとのことで、伝三郎は夕飯もたべず、車を飛ばした。 「兄さんの好物や」と伝三郎が
手土産に差出した鮑の雲丹漬を見て、権右衛門は、 「贅沢なことするな」といい、そし....