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手当
「手当〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
手当の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
立ちあるいは伏し、あるいは丸柱の根がたにうずくまって、さっきから、それぞれけがの
手当てに忙《いそがわ》しい。
中でも、いちばん重手《おもで》を負ったのは、猪熊....
「疑惑」より 著者:芥川竜之介
》も死ぬ。」と云ったようにも覚えて居ります。が、何と云ったかわからない内に、私は
手当《てあた》り次第、落ちている瓦を取り上げて、続けさまに妻の頭へ打ち下しました....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
はちょうどジキタミンの注射をすませた所だった。母は枕もとの看護婦に、後《あと》の
手当をして貰いながら、昨夜《ゆうべ》父が云った通り、絶えず白い括《くく》り枕の上....
「或る女」より 著者:有島武郎
あるらしかったけれども、何をしておくという事もなかった。ただなんでもいいせっせと
手当たり次第したくをしておかなければ、それだけの心尽くしを見せて置かなければ、目....
「或る女」より 著者:有島武郎
目にさらし出した。しばらくの間《あいだ》葉子は引きつけられるようにそういう紙片を
手当たり次第に手に取り上げて読みふけった。半成の画《え》が美しいように断簡にはい....
「高野聖」より 著者:泉鏡花
っては気味の悪いも何もあったものじゃない、体中|珠数生《じゅずなり》になったのを
手当《てあたり》次第に掻《か》い除《の》け※《むし》り棄《す》て、抜き取りなどし....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
てもおさえてもむらむらと胸の先にこみ上げて来た。 着く所に着いてから思い存分の
手当をするからしばらく我慢してくれと心の中にわびるように言いながら、君は若い漁夫....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
怪我人も沢山出来、嘉吉とやら気が違ったのもあるそうな、つい心ない、気の毒な、皆の
手当をよくするように。)…… と白銀黄金を沢山授ける。 さあ、この事が世に聞....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
」と、男は返る。 亭主帳場から背後向きに、日和下駄を探って下り、がたりびしりと
手当り強く、そこへ広蓋を出掛ける。ははあ、夫婦二人のこの店、気の毒千万、御亭が出....
「陽炎座」より 著者:泉鏡花
す。お医者さんも初から首をお傾げだったそうですよ。 まあね。それでも出来るだけ
手当をしたにはしたそうだけれど、やっぱり、……ねえ……おとむらいになってしまって....
「開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
齢で、馬鹿々々しい、二人とも、とやについて、どっと寝た。青森の親元へ沙汰をする、
手当薬療、息子の腰が立つと、手が切れた。むかいに来た親は、善知鳥、うとうと、なき....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
ッて、私もそう言ったんで、島野さんも、生命にゃあ別条はないっていうけれどね、早く
手当をしてくれ、破、破、破傷風になるって騒ぐんで、ずきりずきりと脈を打っちゃあ血....
「歯車」より 著者:芥川竜之介
のだった。のみならず黄いろい表紙をしていた。僕は「伝説」を書棚へ戻し、今度は殆ど
手当り次第に厚い本を一冊引きずり出した。しかしこの本も挿し画の一枚に僕等人間と変....
「葛飾砂子」より 著者:泉鏡花
ら内証は証文を巻いた、但し身附の衣類諸道具は編笠一蓋と名づけてこれをぶったくり。
手当も出来ないで、ただ川のへりの長屋に、それでも日の目が拝めると、北枕に水の方へ....
「活人形」より 著者:泉鏡花
て置くお所存ですか、「なあにこれから彼奴を突止めるのです。この病人は及ばぬまでも
手当を厚くして下さい。誠に可哀相な者ですから。「何か面白い談話がありましたろう。....